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5月25日
今週のゲストは、BABY JOB株式会社 代表取締役 上野公嗣さんです。
■子育て世代を支える BABY JOBの仕事
「大きく3つの事業をやっています。
1つは、以前からやっているオムツのサブスク『手ぶら登園』。
保育所ではオムツに名前を書いて持っていく文化があるんです。
忙しい保護者さんが、朝から5〜7枚のオムツに名前を書いて保育所に持っていく作業がありまして。
保護者さんの負担軽減ができないかということで保育所にオムツを納品し、サブスク利用していただけます。
保護者さんは名前を書く負担が軽減されるだけではなく、保育士たちも個別に保護者さんに連絡するなど管理も軽減されます。
保育業界には"オムツ借金"っていう言葉がありまして。
オムツを持ってくるのを忘れて保育所がオムツを貸すんです。
そういったやり取りの負担も軽減できるので、今、全国で7000以上の施設で使っていただけるようになりました。
今は食事のエプロンのサブスクも始めていまして。
朝のおやつと昼ご飯と、その後のおやつの3回分、食事のエプロンを持って行きます。
小さなお子様は食べ物をいっぱいこぼすんですよね。
これを保育士が一旦かき出して、おうちに帰ってもう1回洗って持ってきてもらいます。
洗う手間もあるんですけど、梅雨時などはカビも生えてきますし、衛生的に良くないので使い捨てのエプロンでサブスク利用していただいているサービスも始めております」。
さらに...。
「『えんさがそっ♪』というサービスです。
分かりやすく言うと食べログの保活版ですね。
保育施設を探すために選ぶ基準になるサイトということです。
現状、自分の子供を保育所に預けたいと思うと、自治体に行って窓口で申し込み。
紙に氏名と住所と電話番号などを書いて、地図で探すところから始まるんですね。
園の見学の予約も保育所さん自身も忙しいので電話もなかなか繋がらない...。
『えんさがそっ♪』というサービスはマップ上から保育園を探して、そこの中に保育園さんの色んな特徴が書いてあります。
それこそオムツのサブスクの有無などの情報もわかります。
そこから園の見学まで予約ができるのが『えんさがそっ♪』です。
今、月間40万人ぐらいの方々が使っていただいております。
すごく便利なサービスですね。
「東京都さんと『保活ワンストッププロジェクト』も参画しています。
保育の一連の工程をもっとワンストップでDX化していこうというプロジェクトです。
そこで『えんさがそっ♪』が、保護者さんの保育園探しのサポートをしています。
保育所という景色から保護者の子育てを見た時に、普段の子育てとは違う景色が見えます。
保育所は本来、仕事と家庭と子育てを両立させるインフラでなければいけないと思うんです。
ですが、まだまだ使い勝手が悪かったり保育所に来るためのタスクが多かったり。
課題がありますので、そこに事業を展開しています。
お子様の年齢が上がってくると子育てのテーマが変わりますが、僕らは定点観測してますので、やっぱりこうやっていった方がいいよねっていうことをサービスにしている会社です」。
さらにもう1つ事業が。
「保育施設向けキャッシュレスサービス『誰でも決済』です。
保育施設のキャッシュレス決済です。
保育料はだいたい口座振替で銀行さんのシステムを使って払ってるところが多いです。
中にはまだ現金でされている所もあります。
特に一時保育とか帽子とか文房具とか、小銭のいるところのほとんどが現金でやり取りされてるような現状なんです。
小学校の給食代とかもそうです。
保育所は元々、働いている保護者の子供だけを預かるための施設だったんですけども、これからはもっと地域に開かれた誰でも使えるような施設に変えていこうというのが国の方針でもあります。
保育所としての役割は多機能化。
しかし、多機能化していくにしても色んな金銭のやり取りも負担になってしまう、現金管理も大変なので保育所の多機能化を応援するためにこのサービスが生まれました。
月額利用料がいらなくて、決済手数料も非常に安い価格です。
PayPayなどと少し違うところは誰がどんな決済をしたかが分かるんですね。
保育園さんは補助金の申請などでその情報がすごく重要です。
そういうことができるキャッシュレス決済サービスっていうのを今始めております」。
■体験! 妊婦の世界
「大阪・関西万博ではリアルな妊婦さんの吐き気とかを体験できる、妊娠から出産までの体験ができる世界で唯一のデバイスを展示します。
僕の小学校、中学校の同級生で東海大学 小坂崇之准教授と共同開発したものです。
彼が趣味で作っていた『MommyTummy(マミータミー)』というものが最初です。
色んな方に妊婦体験をして命の尊さを考えてもらいたいという思いからの開発だったそうです。
たまたま子育てのイベントをしていた時に彼が遊びに来てくれまして、この『MommyTummy』の話を聞きました。
これを世の中に広めていくために万博という機会で広めて体験してもらいたいという話になり、今回展示させて頂きます」。
実際にはどのような体験になるのでしょう?
「来場くださった皆さんにはエプロンのようなもの着ていただきます。
その中にはたくさんの風船が入っていて、お湯が送り込まれてきます。
体温、温かさも感じてもらうんです。
妊娠中は汗をたくさんかくほど、めちゃくちゃ暑い。
今までの妊娠体験は肩から背負うだけなので、温度や胎動などリアルな妊娠体験ではありませんでした。
男性は力もありますので背負うタイプのものですと軽く感じたりもします。
熱や胎動で命の尊さを感じてもらえます。
中の風船は胎動を再現していて自動制御でモコモコ動くようになっているんですよ。
およそ10分間で体験できます」。
万博のテーマにも沿った素晴らしいアイデアですね。
「小坂さんのおかげなんですけど、本当にやってよかったなと思います。
万博で皆さんに体験していただいて、その後は企業研修や自治体の研修などにも使っていただきたいですね。
まだ世界に1台しかないのでもっと作ろうと思います。
小坂教授しか作れないので(笑)。
研修ができるような体制を作って広くたくさんの方々に妊娠体験してもらいたいです。
家庭科の授業とかでやってもらって、お母さんや保護者さんへの感謝が生まれたらいいなと思います」。
■子育ては未来づくり BABY JOBが描く世界
「僕たちのビジョンは、全ての人が子育てを楽しいと思える社会の実現です。
本来子育ては楽しいはずなんです。
しかし、時間に追われることで楽しくなくなってしまうんですよね。
本当にいろんなタスクに追われて、子供たちと向き合ったり、子育てを楽しんだり、余暇をすごす時間が本当にない。
子育て世代の時間貧困問題が3年前ぐらいから言われだしたんですけども、6歳未満の子供を持つお母さんの80%の方が"時間貧困"を感じているアンケート結果があります。
父親の育児参加が増えてきたとはいえ、両親だけで子供を見るっていうのも大変です。
昔は地域とか社会とかで子育てしてたのが核家族化が進み、そういう環境がなくなってきました。
その中でもっと地域社会全体で子育てを守っていけるようなものを作って行きたいなと思っています。
僕たちは社会の1つの役割として、時間貧困を解決していくタスクを取っていきますし、社会全体として子育てに向いていけるような仕組みとか仕掛けを作っていく。
子育て世代にもっと注目が集まり、関与する社会を作っていくことがBABY JOBの目指すビジョンです」。
大阪・関西万博への意気込みをお願いします。
「万博にはたくさんの方が来られます。
少子化の先進国である日本がどうやって子育て世代を巻き込む地域づくりをしているかを見ていただきたいと思います。
子育てを通じて命の尊さや子育て世代の重要性を感じていただけるきっかけにできたらなという風に思っています」。
6月3日から6月9日に大阪ヘルスケアパビリオンのリボーンチャレンジ内での出展となります。
子どもの未来を考えることで家族や地域、国の未来も考えることになります。
その第一歩として万博でぜひリアルな妊婦体験をしたいですね。