2026年

9月 6日

世界初!アオサを使って化学品生成し地域課題も解決へ

今週と来週は『漂着アオサ等のアップサイクルに向けた共同研究』に関わる自治体、企業の取り組みをご紹介します。
今週のゲストは泉南市長 山本優真さん、成長戦略室 ふるさと連携戦略課 課長 岡崎進一さんです。

万博でもお披露目された世界初の技術を使った市の社会課題解決に取り組む、漂着アオサ等のアップサイクルに向けた共同研究。
まずは泉南市のことを山本市長に伺っていきます。

「泉南市は関西国際空港がある町です。
空港から一番近いところに海水浴場もございまして、そこからはすぐ目の前に飛行機が見えるという立地。
空港から15分のところに町がございます。
『SENNAN LONG PARK』には若い方にもたくさんお越しいただいています。
特産品は水ナス、泉州玉ねぎ、穴子。
元々大阪府内で穴子の漁獲量が1位だったことがありました。
現在は近畿大学さんと連携をしながら穴子の養殖をやっています。
さらに、ふるさと納税では大阪府内では7番、8番目くらいに寄付額を頂いていますが一番は"トイレットぺーパー"です。
実は大阪・関西万博の会場のトイレで使われていたトイレットペーパーの何割かは泉南市のものだったんです。
花にも、かなり力を入れております。
いわゆるイングリッシュ・ローズガーデンです。
『デヴィッド・オースティン』という品種のイギリス王室承認のバラを見ることができます。
サッカーのベッカム選手の名前がついたバラもあるんですよ」。
今回は『漂着アオサ等のアップサイクルに向けた共同研究』。
「アオサといえば、海に浮いている海藻ですよね。
泉南市は海に親しんでもらえるような取り組みをやってまいりましたが、アオサが漂着することでその特有の匂い、拾い集めて燃やしても炉が塩で傷んでしまうなど、色んな課題がありました。
これをどうしようかという話が出発点になっております。
この問題を解消されないままにコロナ禍があり、それが収束したら日常が戻ってきました。
そんな中、海水浴場を開くタイミングでまだ解消されていなかったアオサの問題。
何かできることがないかと考えていた中で、株式会社ヴァイオスさん、光オンデマンドケミカル株式会社さん、そして神戸大学さんと連携させていただきました」。
"アップサイクル"の共同研究。
「革新的な技術で社会問題を解決し、新しいものを生み出していく。
それが今回の連携の取り組みで生まれました。
アオサからメタン発酵させてバイオガスが出てくる。
そのメタンガスを神戸大学の津田准教授が代表を務めておられる、光オンデマンドケミカルさんの技術でもって化学品への変換。
光オンデマンド合成法というのがありまして、今回、アオサを使ってやっていくというものに関しては世界で初めてです」。
「我々、泉南市として困っていたこのアオサというものを、津田先生、それからヴァイオスさん、それから池田泉州銀行さん、そういった関係者の方々が力を合わせてアップサイクルに取り組みました。
元々でいいますと、池田泉州銀行さんが主催されていたイベントに我々の職員が参加させて頂いたことがありました。
その時、津田先生に職員がアオサの問題を相談させていただきました。
始まりはそこですね」と岡崎さん。
近年の実績も伺います。
「昨年から第1期ということでスタートしています。
実証実験的に漂着しているアオサからメタンガスを発生させて、そこからイソシアネートという有機化合物の生成が昨年度の実績としてあります。
今年度は第2期として、泉南市の、し尿処理場に実際にヴァイオスさんのプラントを設置させて頂きました。
そのプラントでガスを発生させて、そのガスを津田先生の光オンデマンド技術で製品にしようとしています。
加えて、アオサだけではなく食品残渣も入れて、よりメタンガスが発生しやすいようにして、製品としてどれくらいできるのかの第2期実証実験をさせてもらっています」。
産学官金の連携ですね。
山本市長に伺います。
「官民連携とかっていうのは結構我々も専門部署を作って推進をしております。
例えば、コミュニティバスに変わる別の公共交通の手段はないか、ということ。
提案を頂いてオンデマンド交通という実証実験をしました。
それをちゃんと肥やしにしながら、次の公共交通計画を策定しています。
こういったものが広い分野でどんどん広がっていくことが、まさにこれからの自治体経営にとっては大事なことだと思いますね。
ちゃんと商用化できて、本当に採算が取れるようなところまで、実証から実装までいければ本当に新しいビジネスとして生まれていくことになります」。
未来へのビジョンはどう描いておられるのでしょう。
山本市長に伺います。
「漂着アオサ等のアップサイクルをしっかり見ながら、精製された化学品を泉南市内の事業主さんに実際に使っていただく。
ゆくゆくは原料も製造も泉南で商品自体が泉南のもの。
いわゆる資源循環というのがこの泉南市内、もしくはこの泉州地域で完結するようなことができればいいと思います。
あとは、これから検討しなければいけないんですけれども、大阪の南の方というのは下水道化が100%ではないんです。
いわゆる、し尿の汲み取りをするというところがまだ多いんです。
その、し尿はバイオガスが含まれる環境ですので、連動の模索というのも実は内部で行っています。
すごくハードルが高いのですが模索をしていきたいですね。
色んな可能性を秘めているものなので、汗をかいていきたいと思います」。

竹原編集長のひとこと

地域課題だったアオサを使って問題解消のみならず、地産地消の製品まで作り上げる。
自治体さんだけでなく志の高い民間の企業さんの知恵などを取り入れて進めていく。
お話を聞いていているとワクワクしますね〜!