2026年

9月27日

挑戦の中に明るさ "あしたに、わくわくを。"

先週に引き続き、ゲストは池田泉州銀行代表取締役頭取兼CEO、阪口広一さんです。
今週は阪口頭取のパーソナルな部分に加えて、 グループとしての意識改革についての取り組みもお聞かせいただきます。
阪口頭取はスポーツがお好きだそうですね。
「仕事の関係上もあってゴルフが中心になっていますが、 見るのもすごく好きですね。
私自身は大阪市内の生まれで父親が阪神タイガースのファンでした。
幼稚園の時に父親に連れられて甲子園球場へジャイアンツ戦を観に行きました。
試合前にアルプス席に座って、 ボールの行方を見ることなく母親が作ってくれたおにぎりを食べていたんですが、 突然何か頭の左側に固いものが当たりましてね。
ファールボールが当たったんです。
バックネット裏のウグイス嬢さんがアナウンスされる場所の横に 医務室みたいなのがあって、 そこに連れて行っていただきましたね。
かなりの特等席で阪神巨人戦を観戦しました。
最後にタイガースで当時キャッチャーをされていた田淵幸一さんが来られて、 "大丈夫?"と声を掛けていただきましてね。
すごく感激しました。
それ以来、近所の野球チームに入りました。
田淵さんの背番号22をつけて、 ポジションもキャッチャー。
田淵さんに完全に憧れていましたね。
幼稚園の時からおよそ55年、タイガースファンです」。

微笑ましいエピソードです。
「タイガースは1985年に日本一になって、 それ以降もおよそ20年周期で活躍する時があるわけですが、 勝った時だけ好きとかではなくて、 良い時も悪い時も好き。
それは銀行も一緒で、 銀行を取り巻く環境が非常に厳しい時もあればいい時もある、 お客様が良い時もあれば悪い時もあります。
どんな時も職員向けに"ファンをもっと作ろう"と言っているんですね。
僕らがお客様を応援しないといけないタイミングもあるでしょうし、 お客さんが我々を応援していただくタイミングもあるかもしれません。
相互的な関係性を作っていくことが非常に大事だと思います」。
スポーツ以外のご趣味も。
「『1万人の第九』ですね。
妻と一緒に合唱団に参加していました。
参加するきっかけは元々、妻がある歌手のファンでして、 その方が第九の前のミニコンサートに出演されると聞いたからなんです。
合唱団に参加すれば第九も参加できる、 コンサートも観ることができるということで合唱団に参加しましたが、 合唱団として参加した第九が言葉に表すことができないぐらい感動しましたね。
我々も自分一人で仕事が完結するわけではありません。
やはり組織としての継続性が維持できなくなります。
我々みたいな立場だけではなく今年入った新入職員も含めて同じ方向性を見ながら、 ひとつの志を目標にしながらやっていきたいと思います。
今年4月に中期経営計画、長期経営戦略を池田泉州ホールディングスとして出しました。
その前提としてみんなが同じ思いを持つべく、 初めて『パーパス』を作りました。
経営理念というのは当然ありますが、 もう少し噛み砕いたメッセージです。
"とことん向き合い、ぐつぐつ追い求め、あしたをまっさきに切り拓く ~もっとおもしろく、もっといきいきと~"。
お客さんとコミュニケーションを納得いくまで取ってニーズを見つけて、 情熱を持ってお客さんと向き合って、 課題やお困りごとにしっかり応えていく。
"あしたをまっさきに切り拓く" というのは、 今年の年初に言った『挑戦』というキーワードからの言葉でもあります。
銀行はどうしても固いイメージがありますが、 新しいことにチャレンジしていく。
その上で確実な仕事を着実にやっていく。
お客様から大切なお金、ご資産をお預かりしていますので、 それは一番重要なことですけれども、 それだけでは自分たちの成長にはつながらないと思いました。
新しいことをやることで若い人が働きやすい環境を作ろうと思いました。
『パーパス』の策定は組織風土の改革の一環ですね」。
『パーパス』には様々な想いが詰め込まれています。
「さらに"あしたに、わくわくを。"」というタグラインも作りました。
端的に分かりやすいものです。
新しいことに挑戦していこうとしたら、 当然、失敗もあると思います。
銀行はなかなか失敗を受け入れてもらうのには非常に厳しい組織ですけれども、 そんなことを言っていたらやっぱり新しいものに取り組みができない。
みんなワクワクした気持ちで新しいことに挑戦をして、 結局それがお客様の役に立てばいいんじゃないか、ということで。
僕らは自分たちの成長だけではなくて、 お客様、地域、社会も含めてみんなで成長していきたいと考えています。
その中のひとつの役割、パーツとして銀行がある。
策定が4月ですから根付くにはおそらく数年かかると思います」。

この『パーパス』をもとに邁進されています。
「私がご紹介させていただいた『パーパス』は銀行ホールディングスのものです。
営業エリアごとに当然特色がありますので、 そのエリアに応じた『パーパス』を現場ごとに作ってくれています。
今回の『パーパス』は若く、やる気のある方に集まっていただき、 それぞれ異なる経験値を持つ方々に集まっていただきながら、 銀行の経験以外のところも少し経験していただいて、 外の環境の違う世界の人々と接して出てきた意見を醸成した形です」。
"挑戦"も具体的な形が。
「ビジネスプランコンテストをしました。
それまで銀行がやっていた業務は本店の組織がお客様のニーズを汲み取って、 それを商品化してセールスする。
今回はお客さんのニーズは違うところにもあるかもしれないということで、 現場の声を聞いてアイデアとして出してもらう。
それをビジネスとして展開するという取り組みを昨冬ぐらいからさせていただいています。
アイデアは89件集まりました。
多種多様で新たな気づきもあるビジネスのアイデアが出てきましたね。
そのアイデアを今度は本店の方が実現していく。
挑戦を促しておいて話だけとなると組織風土を変えていく過程の中では困ります。
出されたアイデアについてビジネスとして成り立つかどうか、 今、一生懸命取り組んでいます」。
AIでもユニークな取り組みをされているそうですね。
「AI頭取がいます。
決して話題作りではなくて、 AIを活用して自分たちのやっている業務の整理整頓や プロセスを見直していくことに役立ててもらっています。
これは決して銀行だけではなくて、 どんな会社さんでもAI活用はこれからの重要なテーマになってくると思います。
AI頭取は自分がキャラクターになっています。
私自身がどういう風な考え方に基づいて仕事をしているのか、 普段、どんな行動しているのかなどを事前にAIに読み込ませています。
考え方を整理整頓するのにあたって、 AI頭取に聞けば理解ができるというものです。
リアル頭取はやっぱりその時の感情によって、 多少ブレがあるかもしれませんがAIはそういう感情はないので(笑)」。

2015年にこの番組がスタートしました。
来週で12年目に入ります。
この番組に対する頭取の思いを聞かせてください。
「元々、地元の中小企業の持っている色んな良いものを紹介しよう、 その企業の成り立ちや歴史的なこと、 ご苦労された経験もご紹介させていただきながら番組を進めているわけです。
これまでご出演された企業さんもそうだと思いますが、 ご苦労されずに成功体験を重ねられた企業さんってそんなに数多くなくて。
やっぱり皆さんどこかのタイミングではご苦労があって、 それを乗り越えられて今日がある。
"あしたに、わくわくを。"のように、 前向きな思いを経営者さんご自身も持たないと、 ご苦労で心が折れるタイミングもあったと思うんです。
前向きな思いとは従業員さんのことを守る、 取引先のことを守る...。
これからもこの番組を通じて、 ご苦労されてもそれを乗り越えられた、 さらに挑戦をしてこんな可能性が広がった、 そんな企業をもっともっとご紹介できるような番組になればと思います」。

竹原編集長のひとこと

新たに策定されたパーパスにタグライン。言葉の中に明るいエネルギーを感じましたね。
AI頭取もユニークですが、根幹には行員の皆さんに寄り添って、 そこで生まれたものをお客様へつなげて、寄り添う気持ちも感じますね。