2026年

11月 1日

老舗の先見の名 烏龍茶を売り出したパイオニア

今週のゲストは株式会社つぼ市製茶本舗 取締役会長 谷本順一さん。
まずは事業内容から伺っていきます。

「社名の通り、ずっとお茶一筋で商売をさせてもらっています。
大阪・堺で創業しまして今年で176年目になります。
お茶を生産農家から仕入れて、 大規模に加工してやっているのは、おそらく弊社一社だけだと思います。
お茶というと京都などのイメージがあると思います。
ですが、本来はお茶というのは、皆さんご存じの千利休が生まれた堺から。
茶の湯ですよね。
また、煎茶も大阪が発祥なんです。
したがって、このお茶の歴史は大阪に非常に深く根差しています」。

一口に"お茶"といっても幅広いジャンルが。
「主力はもちろん緑茶です。
四代目である父が日本で初めて烏龍茶を取り扱ったという歴史もあります。
堺で生まれた会社ですから新しいものが好き。
烏龍茶は、まだ日本で広まる前くらいから取り扱っています。
台湾などでは油っぽい料理をしますし、 食事が洋風化することに伴って、 飲むとさっぱりとする烏龍茶がこれから流行るんじゃないかという先見の明ですね。
最初は輸入するコンテナの隅に少しずつ烏龍茶を入れていたのですが、 それがみるみるコンテナいっぱいになりました。
他にはダイエットや花粉症対策のための健康茶、 麦茶も取り扱っています。
麦茶はお茶ではありませんよね、麦茶は麦からです。
『お茶』と名前がついていても、 実際にはお茶でないものが日本中で大きなシェアを占めています。
それが名前に"茶"とついていますので、 私たちの取り扱いのカテゴリーに入っています。
意味合いとしては少し遠いですが、 『青汁』まで取り扱っています。
私たちにはブレンド技術がありますので飲みやすくしています。
私たちは『お茶』という名詞も大事なんですが、 動詞で捉えて"飲む"というカテゴリーで考えます。
やっぱり人間は飲まないといけない。
水分を取らないといけませんからね」。

お茶のプロフェッショナルが社内におられるそうですね。
「私も茶鑑定士六段です。
私は仕事がありましたので六段までですが、 社員の中にはずっと修練を続けて六段、七段という者もおります。
自分の研鑽ということもあるのですが、 仕事をする上でお茶を知ることが重要になってきます。
美味しいお茶は年ごとによって違うんですよね。
その時々の地方の天候具合によっても違います。
我々はプロなので、それを全部見極めないといけない。
安くて美味しいお茶をお届けするためにどうするかといったら、 年間で一番美味しいお茶の産地を見つけるということが重要になってきます」

カフェ事業も展開されています。
「堺の町おこしの一環として始めた事業です。
2013年に開業しましたが、店舗となる町屋を2010年に取得しました。
堺は昔、"大阪の食い倒れ""京の着倒れ"に対して"堺は建て倒れ"と云われたほど、 立派な町屋があるんです。
京都や大阪市内よりも立派な建物があり、 桃山時代から続く町も多くありました。
そのような歴史ある堺の町並みを保存したいという思いから、 町屋でカフェをやろうということになりました。
実は後に店舗となるその建物は取り壊される1週間前だったんです。
オーナーに自分たちでリノベーションできなかったら取り壊してもいいという許可を得て、店作りに挑戦することになりました。
私は前しか見ないタイプなので(笑)。
飲食業は未経験だったので様々な店を見て回りましたね。
スイーツ店などを食べ尽くすほど研究しました。
そして3年後に開業へ。
開業にあたり、目玉にしようと思ったのが『かき氷』です。
『無重力かき氷』という、ふわふわのかき氷を作りました。
なぜこのふわふわ感が出るのか。
その正体は堺の刃物で削るかき氷だからなんです。
また、堺には"市中の山居"という言葉があります。
桃山時代の堺には賑やかな町の中に庭のある茶室がありました。
それを荒屋に見立てて、 心を鎮めるというコンセプトの茶室です。
現代の堺にも茶室が始まったとも言える歴史的なものが埋もれています。
この町屋のお店で皆さんが日頃の忙しさを忘れて、 リラックスしていただけたらと考えました。
この店が町づくり、街並みの保全にもつながったのではないでしょうか」。

つぼ市製茶本舗さんからリスナーの皆様にプレゼント。
2019年の大阪G20でも提供された『特選 利休の詩』を3名の方に。

メール:akarui@mbs1179.com
FAX:06-6809-9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 日本一明るい経済電波新聞『つぼ市製茶本舗 プレゼント係』
*当選者の方の発表は、商品の発送をもって代えさせていただきます

竹原編集長のひとこと

日本での烏龍茶の始まりはこの会社さんだったとは驚きですね。
さらに"お茶"と名のつくものの取り扱いの広いこと。
老舗ならではの目利きと技術、柔軟性も感じますね。文化も作っておられます。