07月07日
こころのスイッチ

「年不相応の時代」


あした通信社

特養訪問リポート


 老後にかかる金額の問題や、年金の将来に関して、不安がますます広がっています。すごいお金持ちなら、最初に何千万円、毎月数十万円必要という施設もあるでしょうが、介護保険を使って利用できる施設がちゃんとあります。 
そんな施設のひとつが、特別養護老人ホームです。
「特養」と呼ばれますが、自宅での生活が難しくなったとき、基本的には要介護3以上の高齢者が入居できる公的な介護保険施設です。要介護1、2の方でも行政が必要と認めた場合は入居可能です。最期まで介護を受けながら生活できる「終の棲家」としての意味が大きいようです。
 大阪市住之江区の社会福祉法人 健正福祉会の特別養護老人ホーム カサブランカにお邪魔しました。
特養の立地について、私はこれまで、景観は良いけれども不便な場所にあるとイメージしていたのですが、こちらは地下鉄の駅からも便利で、住宅地の中、向いに日用品の店もあります。7階建てで、見たところはマンションのよう。
施設長 稲岡 確さんに案内してもらいました。
居室はそれぞれが個室。ある方は大きな箪笥に冷蔵庫、本棚、お仏壇も自宅から持ち込んでいらっしゃいました。無機質なハコではなく、長年自分が慣れ親しんだ家具に囲まれることで、自分の部屋としての愛着が生まれるようです。
大部屋で個人の所有物スペースはあまりない、といった私の従来のイメージからは大きく変化していました。また、お風呂も大浴場で一斉に入るのではなく、一人ずつサポートを得ながらゆっくり入るスタイル。
一方で、共有スペースとしてカラオケを楽しむ空間もあります。認知症の方も懐かしい歌をしっかり覚えていらっしゃるそうです。
嫌な臭いがないことも、私の従来のイメージを覆しました。
 3年目の新しい施設をご紹介しましたが、自分にはどんな施設がぴったりくるのか、それぞれ違うことでしょう。個室より相部屋のほうが寂しくないという人もいますし、大きなお風呂のほうがいい人もいます。まずは、色々な施設の中から自分に合うものを探し出すことが大切だと、稲岡さんもアドバイスしてくれました。
 特養は待機者がたいへん多いと言われますが、最近は入居基準が厳しくなったこともあり、以前ほどではない地域もあるそうです。あなたの地域の実情を調べてみてくださいね。