08月18日
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あした通信社

大腸がん手術の今   ゲスト:奥田準二さん(大阪医科大学付属病院がん医療総合センター特務教授)


 日本でがんを患う人の中で、一番多いのは大腸がんです。今日は、大腸がん手術の最新情報をお届けしました。
 以前にもお伝えした通り、大腸がんは早く発見すれば、今や治る病気だと言われています。しかも検査は検便が大いに有効です。大阪市では大腸がん検診を40歳以上の市民は300円で受けることができますし、後期高齢者の方は無料です。
 こうした検査で、大腸がんと診断された場合には、手術も含め治療法を考えることになります。
 大腸がんの手術をする外科医として、世界的なドクターのインタビューをご紹介しました。
大阪医科大学付属病院 がん医療総合センター特務教授 奥田準二さんです。
以前は開腹手術が大半を占めていましたが、奥田さんはいち早く腹腔鏡手術を広めてきました。開腹手術に比べ、傷が小さく、患者の負担が少ないので回復も早いそうです。
奥田さんの元には、手術を希望する患者さんが全国から訪れますが、患者さんは奥田さんに、まずこうおっしゃるそうです。
「先生、肛門は残せますか?」
肛門を切除して人工肛門をつけるケースが多いですが、人工肛門を不安に思い、できることなら自分の肛門を温存したいと願う方が多いそうです。奥田さんの手術はできるだけ肛門を残します。
難しいのは、排尿や、性機能など様々な機能を残すこと。大腸がん患者は
60代が最も多いのですが、最近では若年化していることから、若い人たちの結婚、妊娠のことも考えて、策を練る必要があるのです。
 ロボット手術の選択肢もあります。ロボット手術の動画を見せてもらいましたが、その細やかな動きには驚きました。これまでロボット手術に反対してきた奥田さんですが、最近はロボット手術も手掛けています。
 切除する場所によっては、ロボットのほうが精密にできるほど技術が進歩したこと、また保険診療が認められるようになったことも大きな要因です。これまで高額で、限られた人しか受けられなかった技術が、一般の人にも可能性が開かれました。
 最新技術だけが良いのではなく、患者一人一人の条件に合わせて、他の方法との組み合わせも考えるなど、選択肢はいくつもあります。納得いくまで相談できる医師と出会いたいですね。