09月01日
こころのスイッチ

「歩いてきた道ありての人生」


あした通信社

大腸がんってどんな病気? ゲスト:樋口和秀さん(大阪医科大学第二内科教授)


 今日、スタジオにおいで頂いた大阪医科大学 第二内科 樋口和秀教授は消化器内科がご専門です。これまで様々な最新治療法を開発したり、積極的に導入なさってきました。
 樋口先生は、このところ増加している大腸がんの背景には、日本人の食事の欧米化があると言います。ハンバーガーやソーセージなどの摂取が増えてきた時期に重なるとのこと。脂質や糖質の取り過ぎには注意が必要ですね。
 患者さんが診察を受けるきっかけは、検診でひっかかった人と、自覚症状を感じた人が、半々だそうですが、検診がきっかけになった人のほとんどは、自覚症状がないそうです。
 大腸がんの自覚症状には、下血や血便、便秘などがありますが、私たちがお手洗いで確認する血便と、検診での潜血反応とは全くレベルが違うので、自分の目で見て大丈夫だと思うのは、全く意味がないことになります。逆に言えば、自覚症状が出てからでは、もう遅いわけです。
 私の友人は、50代で命を落としました。貧血が続いていたので、造血作用を高めようと食事に気を使っていたのですが、貧血が大腸がんの症状だったと気づいたときには、すでにあちこち転移していました。こうしたケースは残念ながらよくあることだそうです。
 特に女性の場合は、内視鏡検査が恥ずかしいから、と敬遠する人が多いとか。最近では検査用の下着をつけて、できるだけ恥ずかしくないように工夫されています。また、痛みも、可能な限り緩和する方法が取られるそうです。内視鏡も進歩していて、5ミリ未満の大きさなら精密検査時に切除してしまうそうです。
 大腸がんは、早期に発見すれば9割以上治せる病気です。日本の検査技術は世界一。また安価で検便ができるなど、検診システムも充実しています。それなのに検診を受ける率が、大阪は低いと聞いて、首をかしげてしまいます。
 来週は、樋口先生が開発された最新検査技術について伺います。