12月29日
こころのスイッチ

「介護川柳」


あした通信社

家族で話す介護


 今日は今年最後の「しあわせ散歩」。
 年末年始は、ふるさとへの帰省で、普段離れている家族が一緒に時間を過ごすときでもあります。それは、家族の介護について会話できるチャンスでもありますよね。
 先日、吹田市では70代の夫婦が介護疲れで無理心中したとみられる事件がありました。がんを患っている77才の妻を、74才の夫が自宅で介護していたそうです。夫は奥さんの首に電気コードを巻き付けて殺害し、自ら階段で首を吊ったとみられています。夫は、少し前から息子夫婦に介護の辛さを打ち明けていたとも伝えられています。
もし私が、息子夫婦の立場だったら、どんな対応ができただろうか。そう考えると、決して他人事ではないと感じます。これはどんな家族にも起こりうることではないでしょうか。
相談を受けたときに、自宅で介護を抱え込むのではなく、施設に入居する選択を提案できるかどうか。それは日頃、施設についてどんな情報を持っているか、どんなイメージを持っているか、で大きく変わってくるでしょう。
また、介護のために仕事を辞める人は年間10万人も存在します。介護離職予備軍は100万人という試算もあります。昼間は仕事、夜はトイレ介助や薬のケアなど、睡眠時間もとれないことでしょう。思いやりが深く、義務感の強い人が家族のために仕事を辞めるわけですが、それで問題解決するわけではなさそうです。親の介護が終わり、介護から解放されても再就職の道は険しく、自らの高齢化で経済的にも厳しい状況に陥る恐れがあります。
介護のために仕事を辞めないためにも、施設利用の選択は重要です。
 医療法人健正会事務長の松本達士さんは、抵抗感をなくすためにショートステイの利用も有効だと話します。短期的に施設を利用するショートステイを早目に体験しておくことで、自分に合う施設を見つけることもできますよね。
 この季節、ふるさとで「ラジオの『しあわせ散歩』でこんな話をしていたよ」と雑談に織り交ぜて頂ければ幸いです。