02月16日
こころのスイッチ

「認知症と死」


あした通信社

介護に関するリスナーさんからのご質問、その3。


  ラジオネーム「泳げない海人」さんからのお便りをご紹介しました。
「父を早くに失くして、今沖縄で母が一人暮らしです。僕は大阪に出てきて結婚し、自営で飲食業をやっています。母は86才。目の届かないところで一人にしておくのは心もとないです。
 そこで、介護施設に入る事を考えているのですが、母の地元の沖縄で探すべきか、僕の地元の大阪で探すべきか悩んでいます。どんな視点で決めればいいでしょうか。」
 遠方の親御さんが高齢になったとき、誰もが悩むところですよねえ。
 医療法人・健正会事務長の松本達士さんは、一番重要なポイントは、介護が継続できるかどうか、だと指摘します。お母さんの立場になれば、地元の沖縄で暮らし続けたいでしょう。が、大阪で働く息子が沖縄にどれだけの頻度で帰れるでしょうか。大阪の施設にお母さんが入所してくれたなら、これまでよりずっと一緒にいられる機会が増えそうです。
 最初は、離れた場所の施設に行くことを不安がる方も多いようですが、家族と頻繁に会えることで、安心感が増した、というケースもあるそうです。
 逆に、遠く離れていても安心できる施設を、親御さんの地元で探す、という考え方もあります。
 大阪・住之江区特別養護老人ホーム「カサブランカ」には、全国様々なところから入所している方がいらっしゃいます。カサブランカ施設長の稲岡確さんは、家族が、事前に施設スタッフとしっかり相談することが重要だと言います。この施設では、緊急時には施設が対応すること、治療方針などドクターと家族が直接話をする必要がある場合は、電話で相談すること、手続きなど必要に応じて、後日家族に来てもらうことなど、様々な想定を話し合います。
 施設それぞれ対応は違うようですから、遠く離れていても安心できる施設かどうか、よく確かめる必要がありますね。スタッフの表情だけでなく、利用者の表情を実際に見てみることも大切です。
安心して生活できる場所かどうか。介護が継続できるかどうか。見極めてくださいね。