03月01日
こころのスイッチ

「大腸のお勉強」


あした通信社

介護生活の体験談その1。


 今日は、ある方の介護生活の具体的な体験談をご紹介します。
 大阪市住之江区の藤埜明彦さん(66)は、施設を利用しながら、お母さまの介護を16年間続けました。
 藤埜さんは、お子さんが二人。ご夫婦で手芸店をなさっていたので、日頃はお母さまがお子さんの世話をしてくださっていたそうです。しかし、お母さまが68才の頃から身体が弱り、一人では入浴やお手洗いが困難になっていきました。圧迫骨折で歩行も難しくなり、介護が必要な状況となりました。
 それでも藤埜さんは施設入所をためらいました。人に介護を頼むことへの罪悪感があったのです。奥さまは子育て、仕事、そして介護とストレスを膨らませていきました。介護されるお母さまもストレスを抱え、二人は心のバランスを崩し、夫婦の危機さえ訪れたほどです。
 しかし、お母さまが自宅で転倒、大腿骨を骨折すると、最早家庭での介護は無理。お母さまの入院、そしてリハビリの期間に、その先のことをどうするか、店のお客さんの体験談を聞く機会があり、施設入所へのためらいが徐々に消えていきました。そうして住之江区の介護老人保健施設「はまさき」への入所を決めたのです。
 先に入院していた病院の環境に不満を訴えていたお母さまは、新しい環境を抵抗なく受け入れることができたそうです。家庭的な雰囲気があり、職員の方々がよく声をかけてくれることに、お母さまは「ほっとした」そうです。
 当初の施設入所へのためらいは、そうした日々の積み重ねで変化していきました。仕事と介護の両立ができたことによって、心の余裕が生まれました。
だからこそ「母と毎日楽しい時間を持つことができた」と藤埜さんは振り返ります。
一日中、自宅で介護していたら、そんな豊かな時間は生まれなかったかもしれません。同じ施設で、最後の看取りまで16年間、藤埜さんはお母さまとの時間を共有することができました。