クオリティ・オブ・ライフ 健康ええなぁ

11月19日・11月26日放送分

ゲスト:大阪中央病院 整形外科部長 薮野亙平先生
健康の悩みをスッキリ解決、生活の質=クオリティ・オブ・ライフを高める健康ええなぁ、今回は大阪中央病院 整形外科部長 薮野先生に変形股関節症や人工股関節についてお伺いしました。

変形股関節症について

→股関節の痛みに悩む人は、600万人ほどいると言われている。
→股関節には色々な病気があるが、一番多いのが変形股関節症。
 これは股関節の軟骨が、摩耗や加齢によってすり減ることで痛みがおこる。
→女性に多く、年齢は20~30代から、50~60代で痛みを感じる人が多い。
 若い時に痛みだして、一度良くなって年齢を重ねてまた痛みがでるという人も。
→変形股関節症は、臼蓋という骨盤の一部に原因があることが多い。
 足の骨である大腿骨の先はボールのように丸くなっている。
 そして骨盤部分にはその大腿骨のボールを受ける傘のような臼蓋という凹みがある。
 この凹みが浅いと変形股関節症になりやすいとも言われている。

セルフチェックについて

→靴下がはきづらい。足の爪が切りにくい。あぐらがかけない。
などは変形股関節症の疑いがある。
→ほかにも、歩き始めにももの付け根が痛む。足の長さが左右違うなど。

病院に行く目安

→痛みを感じた時に整形外科を受診してください。

治療について

→軟骨が残っているけど痛みがあるなど、軽度の症状においては保存療法が中心。体重制限や杖の使用する(生活指導)、ストレッチ、筋力訓練などの(運動療法)、痛み止めの薬の服用。
→そのほか、ヒアルロン酸、ステロイドを用いることもある。
→さらに症状が悪い場合…関節鏡という5ミリ程度の穴を開けて関節を掃除する治療も。
→軟骨がすり減り、股関節の痛みが酷く、日常生活に支障をきたすような患者さんには最終的に人工股関節の手術を推奨している。
→人工股関節手術は傷んでいる軟骨を取り除いて、特殊なセラミックやポリエチレンで作った人工関節を使う。

人工股関節の手術について

→手術時間は60分から90分、しかし早いから良いとは限らない。
 しっかり洗う、キッチリぬうなどの行程で時間がかかることも。
→入院期間は平均3週間程度ですが、早い人だと3日で仕事に戻る人も。(病院に治療方針にばらつきはあります)
→人工股関節手術は、軟骨を特殊なセラミックやポリエチレン、チタン合金の人工股関節に置き換える手術
→大腿骨の先にある丸い部分(骨頭)を切り、大腿骨に人工股関節を挿し込み、新しい骨頭部分を作る。
→ポイントは合併症が起こらないように、脱臼しないようにすること。
→そのために薮野先生の病院では患者さんのCT画像をAIがディープラーニングで手術をプラニングして、医師がそのプラニングを確認する。
→また薮野先生の病院ではコンピューターのナビゲーションシステムを活用して手術を行う。
→手術は骨だけじゃなく筋肉が大事、筋肉を残すことでリハビリ期間が短縮される。
→人工股関節は、平均的には90%の確率で20年は持つと言われている。
→手術のメリットとしては日常生活、またスポーツとしてはゴルフやウォーキングなどが楽しめるようになる。
→これは特殊な例かもしれないが、テニスプレーヤーのマレーさんも人工股関節の手術を受けて現役に復帰。
→デメリットとしては、深くしゃがみ込む動作ができにくくなる。例えばお風呂の低い椅子座りにくいなど。

是非股関節に違和感や痛みを感じる方は、病院で受診されてみてはいかがでしょうか?