2015年

10月18日

東海バネ工業株式会社社長が語る”職人”との向き合い方とは

今週のゲストは、バネ作りの会社『東海バネ工業』代表取締役の渡辺良機さん。
全国に約3000社あるバネ会社の中でも、独自の動きをしている会社です。
東海バネ工業の製品は、宇宙ステーション『こうのとり』や東京スカイツリーの頂上付近にある制振装置に採用されています。


宇宙船や高層建築物など厳しい条件にも対応できる高品質は、どこから生まれるのでしょう。
「これはもう、職人の腕ですね。
 単にいい職人ということももちろんですが、彼らのモチベーションを上げるために、やれることはすべてやっています」と渡辺社長。
「会社にいて、自慢できることを作っていく。
自分が自慢できること、そして誇りを持てること。
成長が確認できること、それを会社が共有してくれていること。
そうすることで、次のステージにのぼることができるんだと思います。
“会社のために”なんて言うと、モチベーションはあがりませんよ(笑)」

東海バネ工業には、大卒の現場男子が多いそう。
「うちの仕事はマニュアル化されていないんですよ。
自分の判断で目で見て手を動かしてもらうことで、小さな喜びが積み重ねられる。
これが代々伝えられているんです」
働く喜びが手仕事を通じて伝えられる健全な環境があるのです。

東海バネ工業は、たった一つの小さなバネも作ることができると言います。
「ただね、少々高くつきます。それだけを作るわけですから…。
想いに応える私たちの想いというか。
大量生産しないからこそ、一点もの作りは大変感謝されますし、作り手冥利につきますね」

リスクに挑戦できる心意気。
これが東海バネ工業の強みなのではないでしょうか。
職人のダンディズムを感じました。

竹原編集長のひとこと

中小企業は、仕事があっても儲からない価格競争に陥っています。
そこから抜け出すには、ヨソが出来ない“何か”を持たないと…。
渡辺さんの単品バネへのこだわり、職人さんを大事にする姿勢は参考になります。