2016年

6月 5日

父と子の絆は社会へとつながる

先週に引き続き、ゲストは大阪・北摂を中心に、うどん・そばなどの飲食チェーンを展開する株式会社太鼓亭の代表取締役社長・水上泰輔さん。
創業当時からうどんを中心としたご商売だったのでしょうか?
「太鼓亭になってから45年になりますが、前身はボルトやナットの荷役梱包業でした。
子どもが生まれたことで生き方を変えようと、この道に進んだそうです」

実は飲食業とはまったく別の仕事をされていた先代。
どういったきっかけで飲食業に?
「大阪・十三が地元でしてね。
近所にうどん屋さんがあった。
父がそのうどんが大好きだったんですよね(笑)。
実は飲食業の修行もなし。
できるもんなんですね(笑)
実はお店の味は当時、店で働いていた女性店員さんの味が大きなポイントなんです。
女性が作るお料理は、おふくろの味、家庭の味なんですよ」
懐かしそうに語る水上社長。
「僕が幼稚園に入る前はよくお店の番をしてましたね。
店のクーラーが壊れたらパンツ一枚の姿で屋根の上に乗せられて、水をクーラーの室外機にかけていました(笑)
店内を冷やして、自分も濡れてね(笑)」

そんな和やかな昭和の風景の中で育った社長は、幼いころから家業を継ぐつもりだったのでしょうか?
「それがまったく違う道にいこうと思っていました(笑)
芸大で建築を学んでいましたね」

そんな水上社長にも転機が訪れます。
「1年間、英語の勉強しにアメリカに行かせてくれと父に頼むんですよ。
なにしにいくんや、日本でもできるやろ、となりますよね。
でも僕は“レストランを見て来るから行かせてくれ”と経営を少し匂わせました。
するとOKが出た」
無事にアメリカに旅立った水上社長。
語学学校に通うことになったのですが…。
「父が一枚上手でしたね(笑)
アメリカのレストラン見学のレポートを書いて来いと言うんです。
で、レポートを提出すると送金されるという(笑)」

実はこのレポートこそが現在のチェーン展開に大きな効力を発揮することになるのです。
水上社長は帰国後、イトーヨーカドー傘下のデニーズに就職。
「うどんのチェーン店をしたい
それがなかったら帰ってこなかったかもしれませんね(笑)。
帰国後は父から日本大手のチェーンを勉強してきなさいと言われました」

師匠と弟子のような先代と水上社長の関係は現在はどのように?
「あまり話さなかった中学から大学時代がありましたが、今は良好ですね。
さらに人生の先輩ですから必ず相談をします。
母はワタシに消費者の目線から意見してくれる。
5年前に社長が私と交代となりましたが、“お前に任せた”と言った後は口出ししませんね。
先週ご紹介した『太鼓亭ファーム』は父がやっています。
父は父の城がある。
能勢の野山を駆け回っていますよ(笑)」

太鼓亭は店舗を通じて、『太鼓亭杯少年野球』を開催。
地域の青少年の育成にも尽力されています。
「もともとは7チームからスタートした大会ですが、今では70チームが参加してくれています。
勝負事ですからみんな一生懸命ですよ。
控えの選手がいるからレギュラーも頑張れる。
大会で優勝したら賞品としてうちの店で食事会や試合の模様の上映会をするんです。
そこで新入社員らに子どもたちや親御さんを接客してもらうんです。
社員教育にも役立つんですよね」

太鼓亭が目指すところはどんなところなのでしょうか?
「少年野球もそうなのですが、人に役立つことをしたいですね。
社会と関わっていること、それが学びの場になる。
社会に喜んでいただけることが我々の理念ですね」

父と子の絆はいま社会へとつながり、太鼓のような大きな輪になっています。

竹原編集長のひとこと

中小企業さん
後継者、代替わりで苦労されている方もおられます。
そんな中、親子関係の良い形を見せていただきました。

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