2016年

12月 4日

コシノヒロコという人・仕事

11月9日(水)10日(木)、マイドーム大阪で開催された『ビジネス・エンカレッジ・フェア2016』の会場での公開録音の模様をお届け。
後半のテーマは「人間・コシノヒロコ』と題して、プライベートや精神性にも迫ります。
普段のコシノヒロコさんは何をしていらっしゃるのでしょう?
「普段、何してるやろ…女らしいこと何にもしてませんね(笑)
お料理なんかもお好み焼きぐらいかな(笑)
でも、パッと30分でも時間ができたら、その時間は長唄のお稽古しようとか、洋服のコーディネートをしようとか…30分あれば海外へ行くコーディネートをしますね。
色んなことをパッとやっちゃう」
このイベントの週も東京大阪間を行き来。
常に動き回っているコシノさんです。
「短い時間にいろんなことをいっぱいしますね。
落ち着くと退屈でダメなんですよ(笑)」

その集中力で若いスタッフともアイデアを出し合って、仕事を進めるのだそうです。
「若いスタッフのアイデア、そして私の経験、ノウハウ。
色んな話の中から、若い人がどんなことを考えているか。
アイデアに対してどんどん盛り上がってくるんです」
ファッションとは多くの人が対象。
このディスカッションから“今”が生まれてくるのです。
アイデアでいうと、こんなエピソードも。
「洋服ができても完成じゃないんですね。
モデルが服を着て、ショーに出て完成なんです。
ステージの袖でパッと閃いたら直前で変更したことがありましたね」

ブランドが次々生まれている昨今、コシノヒロコというブランドとして走り続けてこられた秘訣はあるのでしょうか?
「マーケットを知ってるということですね。
デザイナーはクリエーターですが、マーケティングができないといけません。
時代が常にどうやって変わってきているかを見続けてきました。
デザインだけを優先するのは簡単なんです。
デザインは時代と人を見てこそだと思いますね」
日々、世の中を見てこそのブランド力ということでしょう。

その時代の最中にある、中小企業についても伺いました。
「大企業とお仕事をさせていただいたこともありましたが、安定してくると面白いことに挑戦しなくなるんですね。
でも小さい会社は面白いですね。
自由な発想でできますし、そういった姿勢でご一緒できる。
これって素晴らしいことですよ。
中小企業が盛り上がってくるともっと大阪の力が見えてくると思います」
中小企業のフットワークの軽さが、コシノヒロコさんのスピード感ともマッチしているのかもしれません。

コシノヒロコさんから、これからファッション業界を目指す方々にメッセージもいただきました。
「ファッションだけじゃなくて、音楽も美術も体験してほしいですね。
あとやりたいことに対して努力をする。
若い人たちってとんでもなく面白いことを考えてるんですよ。
でも、それが発展する時も、全くダメな時もあります…。
自分の才能に対して努力して継続する。
流されてはいけないです」
これは企業で働く皆さんにも共通することなのではないでしょうか。
「“若い時に努力しないで、いつ努力するのよ。”
やっぱりお母ちゃんの精神が宿っていますね。
そう思います(笑)」

どこを切っても魅力的なコシノヒロコさん。
これからの目標は?
「職歴でいうと60年。色んなものを作ってきました。
若い人たちに私たちにしかできないことを伝えていきたいですね。
クリエイターや経営者を育てて、つなげていきたいと思います。
これからは放出です(笑)」
コシノヒロコさんの挑戦は続きます。

竹原編集長のひとこと

ショーの袖でギリギリまでアイデアを出す。
こういった精神は会社経営にも繋がると思います。
軸がぶれることなく、切り替えていくことも大切だと教わりました。