2017年

1月29日

再生医療・それは動物との無言の会話

先週に引き続き、ゲストは犬・猫の獣医、再生医療のパイオニア
株式会社J-ARMの代表取締役社長 岡田邦彦さんです。
先週のお話の中で出てきた言葉の中に『再生医療』、 そして『幹細胞』という言葉がありました。
「子供の傷はすぐ治ることが多いです。
それは幹細胞の数が違うからといわれています。
歳をとっても幹細胞はあります。
私たちの再生医療は、幹細胞を増やして再び体に入れてあげるんです。
色んな力を持っている幹細胞を私たちは“マイクロドクター”と呼んでいます」

再生医療を使うことで新たな可能性が生まれる。
動物病院での治療の更なる普及と提案を岡田社長は行っていらっしゃいます。
「実はまだ動物病院の中には再生医療をご存じないところもあるんですね。
今、提携病院が270。
関西エリアでは50ほどですね。
症例をまとめて可能性を提示する。これからの課題のひとつです。
人間と共に動物も長寿になりました。
動物病院が新しい治療法をもっと取り入れる時代なのかもしれません」

そんな岡田社長のキャリアのスタートは名古屋大学医学部での教官。
ご自身で会社の経営をされるようになってから、 どうやって動物の再生医療を広めていったのでしょうか。
「一軒一軒、コツコツと、ですね(笑)
これしかありませんでした。
最初は個人的に仲のいい先生への呼びかけからスタートしました」
その積み重ねが今、そして未来につながります。

お仕事のやりがいはどんなところに感じておられるのでしょう。
「治療が行われて新しい症例が出てくると嬉しいですね。
あと可愛い家族が健康になって、 飼い主さんが涙を流して喜ばれているというお話も聞きます。
研究が報われた気持ちになりますよね」

その成果を重ねるべく、 岡田社長は今、どんなお仕事をされているのでしょうか?
「一番しなければならないことは、 症例、データを集めるということです。
例えば猫は腎不全が多いんです。
でも早期のものだったら治ることもあります。
元に戻るレベルだったら再生医療の力で予防だとか…そういった仕事もしていきたいですね」

今後の夢はどう描いておられるのでしょう。
「再生医療がもっと進歩して当たり前の治療になればいいなと思います。
レントゲンぐらい、みんなが受けることができる技術にしたい。
この技術が希少種の細胞の保存や種の保存につながるとさらに価値が上がってきますね。
人間と話すことができない動物の声をどうやって聴いてあげたらいいのか…そう思いながら、 研究していきたいと思います」
再生医療、そして幹細胞。
岡田社長は動物たちと医学の力で会話するのです。

竹原編集長のひとこと

業界のフロントランナーの力を感じました。
色んな角度から努力されている。
岡田社長が撒いた種がこれからもっと広がっていくでしょうね。