2017年

4月 2日

驚異のパテント力でバックミラー市場を席巻

ゲストはトラック、バスなどの大型車・作業用バックミラーのエキスパート、大東プレス工業株式会社の代表取締役社長・吉田夛佳志さん。
大型車のバックミラーを作っておられるそうですが、具体的にはどんなお仕事なのでしょうか?
「バックミラーの設計販売、そして補習市場ですね。
大阪市の市バス、公営バスをはじめ、沖縄から知床までうちのミラーを使っていただいています」
なんと観光バスは80%、公営は90%を越えるシェア。
街で見かけるバスやトラックのミラーはほとんど大東プレス工業株式会社が作ったものと言っても過言ではありません。
「機会があれば見てください。うちの形と色と会社のマークで分かりますから」とニッコリ。

鏡のみならず最近では車の安全に積極的に取り入れられている、あるモノも制作もされているそうですね。
「バックモニターですね。
精度が高くてなくてはなりませんし、さらにコストもかかります。
国内外合わせて月におよそ1000台製造しています」

人や物の運搬に欠かせない大型車ですが、その安全を大東プレス工業株式会社が生み出しています。
ミラーの種類はどのようなものがあるのでしょう?
「形は丸、小判形、角形に分類できます。
ミラーの湾曲具合によって見え方が違いますから、形と曲がり具合で相当数の組み合わせがあります。

バス一台でいうとミラーはいくつぐらいあるのでしょう?
「大阪市バスのワンマンバスで11個ついています。
運転手の目のポイントからみていろんな角度に調整はできるようになっています」

ヘリコプターや電車、観光船、市電などにも使われている大東プレス工業株式会社のバックミラー。
一体、なぜこんなに市場の多くを占めることができたのでしょうか?
「三代目の親父が言っていたんですね。
“中小企業はパテントを取らないと生き残れない”と。
パテントにするにはどうしたらいいのか…。
それを考えてものを作れ、と教えられました。
私たちの社是で“いいものを安く早く”とあるんですが、これは確かな品質と努力して安くするということ。
親父のおかげで今があります」

そのパテント力は新たなバックミラーを次々と生み出しています。
満遍なく濡れる超浸水性の力で雨の日でもよく見える『レイニーミラー』。
割れたガラス二次災害が起こらないように特殊な塗料を塗って、鏡が飛び散らない『コートミラー』。
ミラーの上に小さなミラをつけて補助具としての鏡『オンブミラー』などなど、交通の安全性を高める大きな力に。
「商品が生まれるきっかけはお客さんからのリクエストが多いんです。
我々から市場を見て、こういうものがあれば便利なのではという提案もあります。
今や安全はお金で買うものなんですよね」

この先、バックミラーの未来は会長の頭の中にあるのでしょうか?
「鏡は行き着いたかな(笑) これからはミラーの中に何かを組み込んでいくようになるかもしれません。 アナログ+デジタルというように進化すると思いますよ」 これからもバックミラーの進化から目が離せません。

竹原編集長のひとこと

独自の製品を持つことに情熱を注いでそれを次々と実現されている。
これぞ社会に貢献する企業の姿ですよね。