2017年

4月23日

100年企業へ向けて 会社と親子の歩み

大阪道頓堀のお好み焼き専門店千房でおなじみ、 千房株式会社の代表取締役・中井政嗣さん、そして専務取締役・中井貫二さん。 先週に引き続きのご登場です。 先週は元々お好み焼きが好きでなかったという背景から お好み焼き店のスタイルを変えたというエピソードを聞かせていただきました。 「昔、藤本義一先生が仰っていたんですけど、 お好み焼きで1,000円以上とったら詐欺やと(笑)。 現場から生まれてきたのですが、 恵比寿ガーデンプレイスの店でクリスマスにお好み焼きのコースを 2万円で販売させていただいたことがありました。 高級食材を使ったコースだったのですが…飛ぶように売れました。 物の価値観は変わるものです」と代表取締役・中井政嗣さん。

実際にどうやってお店を作っておられるのでしょうか。
政嗣さんに伺いました。
「マニュアルは嫌いなんです。
でも基本はたたき込まなければなりません
まず台本を入れて、そこから台本(基本)を捨てる。
これが大切だと思います。
なんやかんやいうて、店は従業員と店長の出来不出来で決まってきます。
何せお客さんを一番近くで見てくれていますからね。
私どもはアレヤコレヤと指示しません。
お陰でのびのびと働いてくれています」

千房では職場として新しい試みもされています。
「受刑者の就労プロジェクトを行なっているんです。
出所者に働く場と住居を提供し、職を通じて親代わりになろうという『職親プロジェクト』です」と政嗣さん。
続けて熱い想いをお話いただきました。
「今から9年前に始まったんですが、これをオープンにしようと思いました。
だいたいの企業は伏せて進めているんです。
ですが、我々千房がこの支援をして、世間に対してオープンにすることで何かが変わるのではないかと…。 過去は変えられないです…しかし、自分と未来は変えられる。
反省は一人でできる、でも更生は一人でできない。
だから私たちがお手伝いするんです」
その言葉に貫二さんも深く頷きます。
実際に貫二さんは刑務所に通い現状の把握、これからについても学ばれているそうです。

株式会社千房は、他にも社会貢献として演芸文化も応援しておられます。
「お店がある道頓堀は食と演芸が近い関係にあった場所です。
桂福團治師匠から“関西の演芸文化を継承してもらえないか”というお話をいただいたんです。
そこから数々の演芸を支援してきました。
芸人さんに拍手しますよね。
でも拍手することで自分にスイッチを入れているんだと思うんです。
自分が元気になろうと思うと周りを元気にしてあげる。
その照り返しで自分が元気になるんです」

名言が数々飛び出しましたが、番組の最後にお二人のこれからについて伺いました。
「経済というのは“経世済民”。
合理化、効率化は数字のことは書いていない
お金儲けも大事だけど、使い方が大事だと思うんです。
私はサラリーマンだったらとっくに退職です。
近々、息子にバトンタッチすると思いますが、その時に私の仕事がなくなったらいけないので、仕事を作っております(笑)」

「千房は現在43年。
100年企業に向けて進んでいかねばならないと思っています。
その頃にはおそらく僕もいない。
だからこそ、次の世代にしっかりとバトンを渡していかねばならないと思っています。
会社は創業者の理念、思いは変えてはいけないと思うんですよね。
逆に時代に沿って変えていくことは、ドラマチックに変えていかねばならないと思います」

次期社長の力強い言葉に笑顔で頷く創業者。
100年へ向けての物語はしっかりと紡がれています。

<プレゼント>
中井社長からリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
「 千房で使える\3000分のお食事券  」を5人の方に!  ≪ 宛先 ≫
※ メール :  akarui@mbs1179.com
※ FAX  : 06−6809−9090
※ ハガキ :  〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「 千房お食事券プレゼント 」係
*当選者の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

創業者の凄さ、その思いを受け継ぐ次代の思いのすごさを感じました。
創業者の直向きな姿勢を改めて感じました。