2017年

4月30日

学歴より学力 知識が新たなアイデアを生む

ゲストはレーザー・ウォータージェット加工機、CADシステム販売の株式会社レザック取締役会長・柳本忠二さん。
実は私たちの身近に株式会社レザックさんの技術が使われた商品があるそうですが、一体どんなものなのでしょう?
「商品のパッケージなどのサンプルをCADシステムで作って、大量生産するときにレーザーや水でカットして加工するんですね。
その設備を作ってるんです」と柳本さん。
作るものの範囲は広く、肌着の型紙から飛行機の炭素繊維までカットするのだそうです。

そもそも水でどうやってものが切れるのでしょうか?
「水滴でも同じところに3年あてれば穴が空きます。
うちは0.3mmの穴から、3トンの圧力で水を噴射してものをカットします。
ものすごい圧です。
水でカットするものは、柔らかいものや、熱を当ててはいけないもの、あと熱を当てて切って臭いが出てはいけないものをウォータージェットでカットします。
例えばスポンジなどは水で切りますね」

切る、抜くという元々手作業でやっていたことをロボットに切らせているということ。
そういった製造設備を作っていらっしゃいます。
そのスタートはいつからなのでしょう?
「私が一人で作った会社です。
東京オリンピックの年から始めました。
当時19歳でしたね。
技術を教えた人間は後に独立していく…巣立っていくのはいいのですが、会社が大きくなりにくい。
そこで設備で作ろうと思ったのです。
自動製図機を作るのに30年かかりました」

会社を大きくするためにどんな方法を取られたのでしょうか?
「プロに相談するとその人のレベルで無理といわれることが多いと思うんです。
私は素人なので限界がないんですよね。
そんな私に力をくれたのは本でした。
専門書を読んで勉強したんです。
実は幼い頃から本の虫でして。
人から習うことよりも本から学んだことが多かったですね」

その他、特許についてもご自身で勉強されたそうです。
「初めて見本市に出した商品が人気になりまして。
1週間に1台売れる。
他メーカーに比べて見た目は武骨だが値段は半分、スピードは倍。
実は販売前に特許申請は先にしていたんです。
そのあたりのことも本から学んだことですね」

商品を生み出す努力、そして姿勢はどんなところにあるのでしょう?
「私自身は学歴はないけど、学力はあると思っています。
学びたいという力があれば前進できる。
あと思い込みも必要です。
そして気合いも。」

ご自身で生み出したアイデアと技術は揺るぎなく限りなく。
学びで培った力はこれからも会社を進めていくのです。

竹原編集長のひとこと

社長は実技の人。
この技が会社の技となり、製品を生み出します。
実技の底力はすごいですね。