2017年

6月11日

自社の技術を活かす提案型ビジネス
今週のゲストは、創業大正9年、繊維機械と建築資材のトップメーカー、ナンカイ工業株式会社の代表取締役会長・山岸彌平さん。
人間の衣食住の「衣」と「住」を生み出す会社です。
「いつかは“食”も欲しいんですよね。
機会があればやりたいと思っているんですよ。
ただ時間が足らない(笑)」と山岸会長。



では「衣」から「住」の仕事の割合はどのぐらいなのでしょうか?
「衣が3、住が7ですね。
繊維は浮き沈みが激しいんです。
仕事はあかんようになってから始めたらダメなんですよね。
最初からいくつか考えてやっていかないといけないと思います。
内作をこちらに取り入れて自分たちも進んでいく。
建築は人が住んでいる以上、なくならないでしょ。
繊維を続けたおかげで建築が生まれて。
生き残れたからひとつの事業として成り立つんです」

織物機械で横糸に使う金型を手がけ、部品やフレーム作りが最初。
そこから建築資材へ。
ナンカイ工業から大手建築メーカーに提案した部材も多いそうです。
「実は最初、建築はなかなかうまく進まなかったんですよ。
だけどその時は繊維の方がうまく進めた。
もともとあったプレスなどの技術が建築へ導いてくれたんでしょうね」

ルーツのひとつである、織機の最新型はエアジェット式で、空気圧で糸を飛ばして織っていくそうです。
工程を高速化し、そのシェアはなんと世界で35%を誇ります。

「下請けから仕事を提案をしていって形にしていくんです。
それで色んな仕事をさせてもらってきました。
次の世代のためにもこの形を続けていきたいんですよね。
さらに他の事業をと言うと社員は笑っていますわ(笑)
取引先とのパイプを太くしていくことが私の仕事だと思っています」


事業の内容から、オイルショックの時に唯一赤字を出したことがあるだけで、あとは全て黒字に。
自社の技術を活かした提案型の仕事が会社の黒字につながっています。

竹原編集長のひとこと

衣食住の「衣」と「住」をもつ会社って強いですね。
しかもどちらも自社の技術から生まれたもの。
地道な努力の積み重ねですね。