2017年

8月13日

大島紬がつなぐ人と仕事

先週に引き続き、ゲストは大島紬美術館株式会社 代表取締役社長・肥後修朗さんと専務取締役・肥後勝代さん。
美術館として全国の呉服業、一般の方々に知ってもらうショールーム的コンセプトをもつ、大島紬美術館について、そして大島紬について教えていただきました。

ひと口に“美術館”といっても、設立は並大抵のことではないと思うのですが…。
「私は掃除が大好きなA型人間ですよ(笑)。
大島紬の色んな資料を残してたんです。
それが今になって貴重となり、資料館につながりました」と肥後社長。
池田市の美術館とほぼ同時に奄美大島に資料館も設立。
資料館では大島紬が出来上がる作業工程を見学や、泥染、織る体験もできるそうです。

お二人は愛する奄美大島に資料館の他に大島紬を感じられる施設を作ったそうですね。
「はい、ホテルを作りました。
『ティダムーン』といいます。
“ティダ”とは太陽という意味です。
太陽と月を、そして珊瑚など奄美の自然を感じてもらえるホテルなんです」と肥後専務。

肥後専務は大島紬のシルクから作った化粧品も手掛けておられます。
「シルクの精練をされている職人さんは手が荒れないんですよ。
そのシルクから取れるセリシンという成分で化粧品を作っています。
プールがあったり、リゾートホテルの様相ながら、大島紬の伝統も感じてもらえる設えにしています。
私たちの先祖が残してくれた場所ですから、みんなで大切にしてたくさんの人に見ていただきたいです」

ホテルの運営も“みんな”でされているそうですね。
「そうなんです。
ホテルの従業員はその専属ではありません。
大島紬の泥染の人がお客様のお迎えをしたり、織子さんが食事を作ったりします。
お客様とは大島紬を作ってるだけでは実際に出会えないですけど、こうやってホテルに立つと直にお客様と触れ合えます。
手作り感が一つのおもてなしだと思いますね。
スタッフの中には生き甲斐ができたと言ってくれる人もいますよ」と肥後専務。

お話を進めるごとに奄美大島、そして大島紬への愛が溢れ出すご夫婦。
「大島紬のことは苦労とは思わなかった。
本当に楽しいですよ。
地元の基幹産業に携われたのは嬉しいことです」と社長が話せば、「島にきたら、ぜひ大島を感じていただきたいです」と専務。
そんなお二人の将来の夢は?
「大島紬の衰退は止めたいんですよね。
歴史は深いけれど、それを過去のものにしてはいけないと思うんです。
これからも皆さんに使っていただけるようにアピールしていきたいですね」と肥後社長。
専務は自らの大島紬の袂に触れながら「普段、お召しください、大島を」とニッコリ。

ご夫婦ならではのコンビネーションとやわらかな雰囲気。
そして故郷への深い愛情。
それは縦糸と横糸のように絶妙なバランスで組み合っているのでした。

<プレゼント>

大島紬美術館株式会社さんからリスナーのみなさまへ
プレゼントを頂いております。
「大島紬 ハンドバッグ」を3人の方に!
メール akarui@mbs1179.com
FAX 06−6809−9090
ハガキ 〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」「大島紬 ハンドバッグプレゼント」係
*当選者の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

大島紬と地域への深い愛情を感じました。
時間がかかるものに価値を見出すと自然とそれが時代に合ってくると思います。
皆さんも大島紬を見て着て、感じてください。