2017年

10月 8日

神戸の地ソースメーカーとして…

先週に引き続いて、ゲストはオリバーソース株式会社の代表取締役・道満雅彦さん。
スーパーに並ぶソースはもちろん、現在は業務用ソースがメインで、ユーザーに応じたソースを製造しておられます。
歴史あるオリバーソース株式会社ですが、その歴史を伺いました。

「ソースになってからは三代目なんです。
元々は大阪で醤油屋でした。
祖父母からソースになったということですね。
今から94年前から大阪から神戸に移り、現在の“オリバー”という名前になりました。
この“オリバー”というのはイギリスの調味料会社の名前なんです。
ちなみに“ウスター”というのはイギリスの町の名前。
そこで生まれたソースが一気に世界に広まったというわけです。
野菜のクズだとか色んなもので作ったさらっとしたソースを主婦が作ったそうです。
でもウスター市にはソース屋さんはないそうですけどね(笑)」

神戸には地ソースと呼ばれる個性的なソースがたくさんあります。
「トンカツソースが生まれた町なんですよね。
その中心が神戸市兵庫区。
ソースはまだまだ進化していて、今度、洋食ソースというのも出すんです。
デミグラス的といいますか、ケチャップとソースをコンソメで割るイメージです。
瀬戸内レモントンカツソースも人気ですよ」

道満さんは3代目
39歳で社長に就任した道満さん。
前年に設備投資、システムを変えたそうです。
「42歳で被災しました。
さあ、これからというときに被災でしたからね。
工場が3日間燃えていましたからね。
その時は諦めていました。
兎にも角にもまずは困っている人の救助からですから、工場の復旧なんて…。
そこからポートアイランドに移転しました。
当時のポートアイランドは見渡す限り何もない場所でしてね。
そこにポツンと建てました。
引越し先は、考えたんですけど…神戸を離れないでおこうと思っていました」

実はあの震災の日に、社員として採用になった人もいるとか。
「面接は前に済ませていて、8時半に出社してくるところにあの地震でした。
電車が止まっているのに頑張って2時には出社してきましたから。
その社員は、現在の営業部長です。
被災してから2年半の休みを経て、色んな想いが込み上げてきて出荷の時は涙が出ましたね。
そこから時間が経って、当時の社員がすでに定年しているんです。
でもその当時の思い、アツさを継続させて行きたいです」

苦難を乗り越えたオリバーソース株式会社、そして道満社長。
これから先のビジョンは?
お客さんからキメの細かい要望があるんです。
それに応えて、お届けし続けたいですね。
求めている味、そして安全に特化していきます。
我々も神戸の地ソース会社です。
その中で面白いことをしていきたいですね」

神戸の地ソースとしての心意気。
震災を乗り越えた強さ、そして繋げる熱量。
オリバーソース株式会社のものづくりは続きます。

竹原編集長のひとこと

企業さんは厳しい時があると思います。
それを乗り越えた会社は強いですね。
商品にその強さが漲っています。