2018年

1月14日

競争から共存へ これからのタオルが進む道

先週に引き続き、ゲストはツバメタオル株式会社の代表取締役会長・重里豊彦さん。
先週は日常使いするタオルですが、糸の先染め、後染めなど目からウロコのお話を聞かせていただきました。

今週は会社の歴史を伺いました。
「泉州は今治と並ぶタオル産地です。
泉州は元々手ぬぐいの産地でもありまして、手ぬぐいの機械を使ってタオルが最初に作られたのが泉州なんです。
明治20年のことでした。
手ぬぐいとフェイスタオルが同じサイズなのはそのせいなのです。
海外にはこのサイズのタオルはありません。
日本独自のタオルですね」。

ツバメタオル株式会社は明治45年創業。
「祖父が創業者です。
機械を入れて作り出したのは大正時代。
当初は合同会社だったそうです。
昭和37年に今の形になりました。
今でさえタオルは誰でも持っていますが、戦前の人たちは手ぬぐい。
タオルは高価なものだったんです。
次第に生産量が増えて泉佐野で全国の半分が作られるようになりました。
昨年は泉州タオルの130周年という記念の年でもありましたね」。

“ツバメタオル”というキャッチーな社名ですが、その由来は?
「父は会社はみんなのものだという考えを持っていて、自分の名前を会社につけなかったんです。
家に毎年ツバメが飛来していました。
それが由来です」。

重里会長が幼い頃から将来は家業を継ぐという意思は持っていらっしゃったのでしょうか?
「タオル屋ということは知っていたけど、継ぐつもりはなかったですね(笑)。
大学を出てから商社に勤めていました。
勤めて3年ほど経ったある日、父が会社にやってきて会社を辞めさせてしまったんです。 
仕事が面白くなってくるときでしたから、ちょっと拗ねましたね」。
現在のお仕事をする上で商社の経験が生かされた時はありましたか?
「消費者の立場でタオルを見ることができたことですね。
それが時代と合っていたと思います。
今も消費者の立場からは常に考えています」。

そんな重里会長 は全国のタオル組合理事長でもあります。
組合の理事長はどんなお仕事なのでしょうか?
「例えば災害で寄付することもありました。
東日本大震災の翌日に10万枚のタオルを送ってくださいと経済産業省から電話がありました。
官民合わしたら100万枚ほどのタオルを送ったと思うんです。
何かにつけてタオルの相談をされると断らないですね」。

ツバメタオル株式会社のこれからの展望は?
「タオルは作る時にいろんなものを使います。
それをなるべく自然に近い形にしていきたいですね。
うちだけではなく、技術をオープンにしていいものを伝えていく。
競争から共存する時代に変わってきたのではないでしょうか。
自然とも共存していかねばならないです。
組合の仕事に携わった影響かもしれませんね」。

番組の最後にあるタオルを見せてくださった重里会長 。
「うちの子どもが結婚した時に引き出物を作ったんです。
このタオルを作るために糸から作りましたから。
男性的な強さを持った綿と女性的な柔らかい綿を合わせたタオルです」。
このタオルは使うほどに糸が合わさって10年経っても使えるのだとか。
自然と調和し、長く使える。
目指すタオルの姿がここにあるのかもしれません。


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竹原編集長のひとこと

130年という歴史を持つ泉州タオル。
進化していくうちに、より自然な形になっていくって素晴らしいですね。