2018年

3月18日

ダンボール製のタンスや机が生まれたきっかけは…

今週のゲストはマツダ紙工業株式会社の代表取締役社長・松田和人さん。
「元々は父親がダンボールケースを作っていました。
ダンボールと紙器屋さんとは別だったんですが、のちにそちらにも参入しまして、今年60周年になります」。

長年、ダンボールを手がけながら、新しいことにもチャレンジされています。
「ダンボールは円高に伴ってある日突然、来月から中国生産になると言われたり、大変なこともありました。
そんな中、8年前に消費者向け商品を作らねばと思いまして、ダンボール製のワインラックや照明を作ったんです。
でも作ったはいいが売り方がわからなかったんですよね」。

転機があったそうですね。
「はい、東日本大震災でした。
被災された方々が仮設住宅に引越しする時に、衣類を入れるものがないから、ダンボール製のタンスを作って1000セットほど送らせていただいたんです。
ダンボール製ですが、想像以上に強度が高いんです。
とても喜んでいただきました」。

実は竹原編集長のお孫さんもお使いのものもあるとか。
「はい、学習机ですね。
いわゆる茶色のダンボールではなくてカラフルです。
軽くて、100キロほどの荷重にも耐えることができますし、不要になればダンボールとして処分もしやすい。
机に穴が空いていまして、そこに消しゴムのケシカスを入れる。
下にケシカスを受ける小さな引き出しがあって捨てやすい。
水拭きや水性ペンなども拭き取れる加工もしています」。
ちなみに構造に工夫を施し、椅子は200キロもの荷重を加えても大丈夫なんだとか。

「学習机は開発当初、落書きをしてもシールを貼ってもいい自由な机といった売れ方をすると思っていました。
しかし、実際はその軽さが魅力だったんです。
お買い上げいただく大半が高齢者の皆さん。
タンスは軽いから倒れてきても安全。
衣類を入れたまま送れますし、転勤には最適です。
こういったタンスや机も東日本大震災の津波で流されてしまった。
でもそこに役立つものをと考えてボランティアでお届けしたものが、後に商品へと繋がったんです。
こうやってものづくりで喜んでいただけるのは私たちも嬉しいですね」。

ダンボール製品以外の商品もあるのだとか。
「21年前に東大阪市異業種交流グループ『創遊夢』が誕生しました。
何か社会にも貢献できるものを作りたいと始まったグループで開発したのが、『クラストカッター』という商品です。
手のひらに収まるトングのような形のものです。
これを使って食パンをトーストする前に耳に切れ込みを入れる。
すると水蒸気が逃げやすくなって、さらにバターがよく染み込む。
切りやすくなり、サクサク食感にもなるんです。
パンの耳を残すお子さん向けに開発したものなんですが、これを使うとパンをキレイに食べてくれるそうですよ」

誰かのために自分たちの技術を使って商品を開発。 それが会社の喜びへ。
ダンボール製品の可能性は広がります。

<プレゼント>
マツダ紙工業 工作キット「ラグビーボール」を5人の方にプレゼント!

≪ 宛先 ≫
※ メール : akarui@mbs1179.com
※ FAX  : 06−6809−9090
※ ハガキ : 〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
       「 工作キットラグビーボール プレゼント 」係
*当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

「必要とされるものを作ると売れる」。
商売のお手本のような言葉ですね。