2018年

5月20日

人の生い立ちのような給食サービスを展開

今週のゲストは淀川食品株式会社から代表取締役社長田村隆さん、副社長の田村節子さん。
同じ田村さん、ということは…?
「うちの子どもは女の子が3人でして。
先代の社長が後継を探している時に、隆さんと長女に縁がありましてね」とお話しくださったのは副社長の節子さん。
副社長が義母さんで社長は婿養子さん。
節子さんのご主人が創業者となります。

社名に“食品”とありますが、どのようなお仕事をされていますか?
「食品サービス業ですね。
人の生い立ちのように、保育園の給食から小学校の学校給食、中学、高校、そして大学の食堂も。
社員食堂や病院食、特養施設の食事もお作りします。
人生のどの段階でも提供させていただいています。
各事業所ごとにオリジナルメニューなので、すごい数のメニューなんですよ」と隆さん。
網羅といっても過言でないほどユーザーのニーズに対応されています。
事業所1箇所で100種類ものメニューを作ることもあるのだとか。

幅広いニーズに対して、どんなネットワークを持って対応されているのでしょうか?
「食材は関連会社から全国にある事業所へ運ばれます。
事業所は関東一円、関西一円、中四国に支店、九州、沖縄。
調理は事業所で完結するという流れですね」という隆さん。
給食先はどんな評判なのでしょう?
「私が10年前社長になった時は社員食堂が多かったのですが、現在は介護など高齢者へ向けての提供が増えてきましたね。
介護を受けられる方はお風呂と食事が楽しみだと思うんです。
その楽しみに応えられるものをお出ししたいですね」。

調理技術の改良はどうやってされているのでしょうか?
「人が財産ですね。
社員と厨房のメーカーさんとともに技術開発しますし、各事業所が持っている技術も共有します」という隆さん。
副社長の節子さんはこんなお話も。
「見た目は鮭なんですよね。
でも実はそれをすり潰して柔らかくした後に、もう一度、鮭に成型しているんです。
昔、そのままお出ししていたものを、今はさらに食べやすく。
味はそのままで柔らかくて食べやすいですよ。
歯ごたえのあるお漬物もそういった技術で味わっていただけるようになりました」。

お料理といえば、地域性がありますよね。
それはどうされていますか?
「毎年、栄養士と管理栄養士が入社してくれます。
その社員を出身地に配属するんですね。
そうすることで地域性をクリアしてくれます。
その地元のスタッフが情報を共有してくれますから、各地の郷土料理をいろんな地域で取り入れることもできるんですよ」と社員の力も語った節子さん。

現在大小様々な規模の事業所は240箇所。
最近では近畿大学のカフェや、来客用の施設も手がける淀川食品株式会社。
さらには売り上げの一部を寄付する試みも。
「これは現場の声からなんです。
お客様との距離感や商品について一番接しているのは現場です。
私はその声をいかに聞いて実現していくか。
それが大切だと思っています」と隆さん。
現場の声はお客様につながる。
“美味しい”という声が聞こえてくる仕事を今日も続けておられます。

竹原編集長のひとこと

これだけ幅広い給食サービスは驚きです。
創意工夫はお客さんのため。
熱意がメニューに伝わっていますね。