2019年

1月20日

介護問題、デイサービスの北極星

ゲストは先週に引き続き株式会社ポラリスの代表取締役・森剛士さん。
介護事業の中でもデイサービスを展開されていますが、創業はいつから?
「平成14年に立ち上げました。
元々は大阪大学医学部附属病院の第一外科にいたんです。
祖父からの言葉で世の中の役に立つ仕事をということで、自分なりに考えて出した答えが医者でした。
その後、祖母の脳梗塞をきっかけに介護問題と向き合うようになりました」

介護問題の現状とはどういったものなのでしょう?
「病院は3ヶ月〜半年で患者さんを入れ替えていかないと病院が回らない。
そうすると要介護者は在宅に溢れます。
状態にもよりますが、介護施設は重度すぎて介護できない場合もあります。
この世界をなんとかしないと大変なことになると思いましたね。
そういった現状から自立支援というデイサービスの方向性ができました」。

国との取り組みもなさっているのだとか。
「水を摂って運動するというパワーリハビリテーションを日本の介護のスタンダードにするのか、アジアに持っていくのかという話もあります。
例えばベトナム。
高齢化は日本の倍のスピードで進むといわれています。
急速に進む高齢化にどう取り組むか。
これは本当に急務です。
世の中の動きとしては、投資家の方からお金を集めて社会問題を会越するという仕組み『ソーシャルインパクトボンド(SIB)』もあります。
例えば神戸市は糖尿病に取り組んでいて、人工透析をするまでに食い止めようとしています」。

官民の連携でデイサービスの形も変わっていきますね。
「デイサービスの9割は公費です。
実際に利用される方同士は個人的な繋がりができます。
デイサービスで仲良くなった人と離れるのが嫌だなんてお話もよく聞きますね。
でもそこはデイサービスの卒業を目標として、財政の健全化にも繋げたいところです。
卒業して駅前のカラオケで集合しようなんてのもいいですよね」。

株式会社ポラリスとしては、今度どんなことを考えていらしゃいますか?
「咲洲に研修センターを持っています。
大阪万博開催が決まったということで、夢洲にも繋がっています5000m²のスペースを福祉施設のハブにしたいと考えています。
ヨーロッパにもアメリカにも自立支援介護がないんです。

これを世界に広めたい。
さらにこの春に新しい施設が誕生します。
3月に本社が移転すると同時に1Fに保育所、2Fが本社、3Fがシングルマザーのシェアハウスを作ろうと思います。
お母さんと子供の自立支援施設ですね。
世の中はシングルマザーの問題もありますし、介護の方は人不足。
いろんな社会問題を解決したいと思っています」。

その昔、大海原の航海に北極星(ポラリス)は方向を知るためになくてはならない存在でした。
日本のみならず世界が抱える介護問題、デイサービスの行く先はこのポラリスが明るく照らしてくれることでしょう。

竹原編集長のひとこと

会社が独自の位置を築き、社会に対してのアプローチをされていますね。
根幹から変える努力は素晴らしいです。