2020年

4月 5日

目で追うだけ 認知症の新しい診断システムを開発

今週のゲストは株式会社アイ・ブレインサイエンスの代表取締役社長 高村健太郎さん。
池田泉州銀行のイノベーション研究助成金を受賞した企業です。
この『イノベーション研究助成金』とは優れた技術シーズや開発構想を商品化・事業化することを目指す企業、研究者などの個人を応援することを目的とした池田泉州銀行の助成金。

この株式会社アイ・ブレインサイエンスとはどんな技術を持っているのでしょうか?
「大阪大学初のベンチャーで認知症を3分で診断補助できるシステムを作っている会社です。
大阪大学の技術を広く知らせるためにビジネスにしました。
イノベーション研究助成金には全部で200社以上の応募があったそうですが、その中から受賞させていただき大変光栄です」。

具体的にどんな技術なのでしょうか?
「iPadの画面を見ながら認知症の診断補助をします。
画面へのタッチもなし、発声もなし。
目の動きで解析します。
iPadのカメラが顔認証のためにあるんですが、そこにプログラムを入れて目の動きを感知しています。
そこに正しく目が行くか、素早く行くかなども診断に関係しています
病院では認知症を診断するための補助として使われます」。
放送前に竹原さんもこのシステムを体験。
竹原さん曰く「目で追うだけでいい、声も出さなくていい。楽にできましたね」。
実際にご利用された高齢者の方も点数が良いととても喜ばれるのだそうです。

認知症は社会的な問題でもありますね。
「認知症はある種の運動をすれば改善するとも言われています。
程度はあると思いますがおよそ35%ぐらいは改善します。
病院に行って問診するわけですが、このシステムで3分で済めば手軽にできますよね。
ぜひ定期的に使っていただきたいですね」。

このシステムは医療以外の現場でも活躍しているのだとか。
「いろんな業界の方が興味を示してくださっていて、病院で検証をしてテストの中身を変えることができます。
自動車業界や保険業界などからも興味を持っていただいています。
一番最初に使い始めたのがデイサービスの現場です。
『大阪府10歳若返りプロジェクト』というものがありまして、そこに参加したデイサービスの企業が"これは使える"と仰っていただきまして。
ケアを受ける個人に対してその方の真の姿がわかりますし、わかるとサービスをする側もサービスをしやすくなる。
目を動かすだけでいいという手軽さも好評をいただいています」。

研究開発はどうやってされたのでしょう?
「大阪大学大学院医学系研究科の武田朱公寄附講座准教授、そして森下竜一寄附講座教授らの研究グループと進めました。
武田先生が実際に認知症の高齢の方を診ておられますが、実際の現場はとても大変だそうです。
そこに向かうべくよく考えて作られています」。

このシステムのこれからですが...。
「使い始めたいというデイサービスの事業所はたくさんあります。
これからすぐに広めるのはなかなか難しいとは思うのですが、皆さんの声を聞いて広げていきたいと思います」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

僕も実際に診断していただきましたがとても手軽でした。
クリアできる喜びもありますし、
どんどん広がってほしいですね!