2020年

4月12日

認知症を理解するとやさしくなれる

ゲストは先週に引き続き株式会社アイ・ブレインサイエンスの代表取締役社長 高村健太郎さん。
認知症を診断補助してくれるシステムを作っておられます。
優れた技術シーズや開発構想を商品化・事業化することを目指す企業、研究者などの個人を応援することを目的とした池田泉州銀行の『イノベーション研究助成金』の大賞を受賞しました。

そもそもですが、この事業を始められたきっかけは?
「ベンチャービジネスなわけですが、強く"これをやりたい"と思って始めるのがいいと思います。
私もこの技術に惚れ込んで始めました。
発明者の武田先生、その上司の森下先生とも古いお付き合いでして、素直にこのシステムは世の中の役に立つと思いまして。
いざ始めてみると大阪大学発の技術ということで色んな方々にお話を聞いていただけます。
阪大ブランドの力も感じますね」。

認知症診断の補助ということですが、具体的にどんな場面に役立ちそうですか?
「認知症というとマイナスイメージが強いですが、逆に認知症とわかるといいことがあります。
認知症かどうかわからないから周りの家族の戸惑いや不安ががあったりしますが、わかる、理解することで患者さんに対して優しくなれます。
さらに認知症指軍の方に対しては重点見守りができます。
データが蓄積されるので過去から現在までの進行具合、改善具合を見ることもできます。
料金的にも初期費用をあまりかけずにたくさん使っていただきたいんです。
専用のソフト、顔認識できるカメラ入った新しいiPadなどですね」。

医療として将来はどんなイメージをもっていらっしゃいますか?
「研究精度をもっとを上げて診断をしていきたいですね。
今は認知症が疑われてもどこの病院に行けばいいいのか判断しにくいと思うんです。
このシステムが承認されたら病院を割り出してくれます。
街のクリニックに入ったらとても便利だと思います。
2022年あたりに医療現場に使われることを目標にしたいと思います。
最近は生活できる寿命を長くしようという"健康受命"という言葉も認知されてきています。
早く認知症に気づいて生活できる寿命を長くしたいですね。
外国での展開も考えています」。

これからのビジョンを聞かせてください。
「社名のアイ・ブレインのアイはAI(エーアイ)と目のEYEをかけています。
そのAIとEYEをもって認知症の割合が多いアジアに早く広げていこうとは思います
全国、世界に広げるために万博に採用されるといいですね。

AIとEYE、さらに人への愛も感じる株式会社アイ・ブレインサイエンスさんでした。

竹原編集長のひとこと

高齢化する社会に新たな技術。
ニーズに寄り添った素晴らしいビジネスですね。