2020年

9月27日

力を合わせてトライを決める パスをつないで幸せの媒介者に

先週に引き続き、ゲストは株式会社冨士屋本店の代表取締役社長 谷上浩司さん。
今週は改めて創業から伺っていきましょう。
「創業84年目。私で三代目になります。
祖父が早くに倒れたので、卸売事業は父が先頭を切って始めました。
私は2.5代目です(笑)。
2005年に社長業を受け継ぎました」。

そうすると幼い頃からこのお仕事をするという心構えが?
「姉と妹がいますが、私は長男ですのでいずれは継ぐんじゃないかなと思っていましたね。
黒門市場が創業なんですけど祖母がそこでお店をしていました。
幼い頃は手伝いに行きましたね。
子どもだからといって甘えさせてもらったわけじゃなく、"商売やからきちんとしい"と躾られましたね。 小売をしていたので、祖母はお客様から丁寧にお金をいただき、"まいどおおきに"と言ってお釣りを手で包み込むように渡していました。
深々と挨拶している姿を見させてもらって幼いながら勉強させてもらったと思います。
商売人としての原点ですね」。

先週のお話の中で"1人はみんなのために"という話題も。
これはラグビーからですよね。
「中学校から始めました。
おばあちゃんにテニスのジャージを買ってもらってテニス部にと思っていたんですが、"ここに名前を書け"とコワイ先輩が出てきまして(笑)。
たどり着いた先がラグビー部でした。
高校へ進学するときなどは当時、大阪工大高校が圧倒的に強かったんですね。
でもうちは商売をしているから工業高校には行かせてもらえないかも...。
強い高校でラグビーをしたかったので、怖い親父に初めて頭を下げて入学させてもらいました。
工業高校に行きながらも将来はこの仕事をする。
その辺りからイメージがありましたね」。

怖いと仰いましたが、どんなお父様でしたか?
「めちゃくちゃ怖い父親でした、スパルタでした(笑)。
日曜日の朝でも8時ぐらいまで寝ていたら、寝ている床にバサーっとバケツで水をかけられましたから(笑)。
男の私には厳しかったですね」。

高校時代のラグビーはいかがでしたか?
「素晴らしい先輩と監督に出会いましたね。
1年生の時に3年生の先輩が日本一に。
その一つ一つの試合の中で先輩方が成長していくんですよね。
その姿を目の前で見させてもらいました。
優勝の瞬間はグランドにみんななだれ込んで...あの感動は忘れられませんね」。

ラグビーの経験から会社にもラグビーボールが。
「ラグビーは人数の多い人スポーツです。
ピッチに降りたらキャプテンとバイスキャプテンの指示で動きます。
サインプレーがあったりするんですけど、そのプレーもスムーズに決まらなかったり...。
そのサインプレーが崩れた時にどう臨機応変に動けるかが大切になってきます。
これって経営と似てると思うんですね。
部署同士の関わりがあって、どんなパスを送ってあげたらその部署は動きやすいか。
ラグビーはトライしてもあまり派手なポーズはしないんです。
これは仲間を尊敬しているからなんですね。
このトライにつながったのは仲間のおかげなわけなので。
ラグビーから経営を学びましたね」。

学生時代を経て、留学も経験。
同業他社を経て24歳の時に入社。
「会社に入った時は不満だらけのスタートでしたね。
その前の同業他社が大きい会社でして、そこと比べるとうちは...と。
親父に当たるんですが、"自分でやれ、考えろ"と突き放すんですよね。
入社の時にも自分から"親父はこれから一生の喧嘩相手になるからな"と啖呵を切って入ったんですよ。
ずっと対立していましたね(笑)
後にはその父の厳しさが私のためだったことに気づくわけですが」。

経営者となって転機は経験されましたか?
「社長に就任して3年ぐらい経った後に主力得意先の売り上げが3割ほどなくなったことがありました。
ギリギリの精神状態になった時に、ラグビーの経験から"どうせ倒れるなら前に"と思いました。
開き直れたらモヤモヤが課題に変わったんですね。
1人の力じゃどうにもならない、社員のみんなの力を生かそうと思えたところが経営者としての転機だったと思います」。

将来のビジョンはどうみておられますか?
「自分たちの中身、会社の中身をもっとブラッシュアップさせて、世の中から求められる存在になりたいですね。
得意先、仕入先に喜んでもらって、まわりから"ええ会社やな"といわれる
"幸せの媒介者"となれるような会社になりたいですね。」

人と人、会社と人、パスをつないでいく様はまるでラグビー。
これからも多くのトライが生み出されることでしょう。

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≪ 宛先 ≫
メール:akarui@mbs1179.com
FAX:06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
   「 冨士屋本店お菓子プレゼント 」係

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竹原編集長のひとこと

ラグビーで培った精神、先代のお父様との関係。
全てが会社につながっていますね。