2020年

12月13日

ドアハンドルは建物の顔

今週のゲストは株式会社ユニオンの取締役社長・立野純三さん。
どんなお仕事をされている会社なのでしょう?
「建設関係の資材、ハンドル、レバーハンドル、ドアハンドルを作っています。
オフィスビル、商業ビル、ホテルなどは90%のシュアがあります」。
そうなのです。
こちらの株式会社ユニオンはドアハンドルの業界ではトップの会社。
こだわりの商品を生み出しておられます。
「みなさんが何気なく触れておられるハンドルはうちの製品ということが多いですね。
ドアにつく脚の部分にマークがあります。
ひと目、デザインを見るとうちの商品はわかります」。

多くの建物に採用されている株式会社ユニオンのドアハンドル。
どんなところに使われているのでしょう。
「迎賓館にも使っていただいています。
こちらは一点もの。
デザイナーの要望があってデザインから素材からこだわって作らせていただきました。
制作期間でいうと半年ぐらいかかる場合もあります。
今でしたら3Dの模型を作って仕上がりまでかなりの時間がかかることがあります。
他にも京都のリッツ・カールトンはぜひご覧ください。
宴会場など行かれたら我々のハンドルがついています。
大阪フェスティバルホールのハンドルも壁の木材と同じもので作っています。
音響にこだわったホールですからステンレスだと音楽に影響するのだと思います。
どちらもこだわり抜いて作らせていただきました」。

立派な建物のドアハンドルから一般的なものまで。
値段の幅はどのぐらいなのでしょう?
「数千円から何百万円までありますね。
以前、美術館のドアのぶを手掛けましたが美術品でしたね。
昔は設計者のこだわりが強かったです。
今は分業されているので意匠が違います。
昔の設計の先生は建物の中に入れる絵画までこだわりを持っていらっしゃいました。
ドアハンドルというものは建物の顔なんです。
個性を出しすぎてもいけないとも思いますね」。

最近でいうとものづくりにコロナウイルスの影響はありましたか?
「抗菌性のハンドルがあるかという問合せはあります。
光触媒を使ったものも。
菌が付着しても8時間をそのままにしておくと菌を滅することができます。
ショールームのあり方も変わりましたね。
SNSで発信できるようにスタジオを制作しまして情報を発信しています。
海外に向けてPRもやっています」

社会貢献活動にも尽力されているそうですね
「セーブ・ザ・チルドレンは1986年の設立から。
初代の理事長を努めさせていただきました。
1986年に英国セーブ・ザ・チルドレンの総裁アン王女より、当時の美智子妃殿下に日本法人設立のご提案がありました。
さらに当時、大阪青年会議所がちょうど30周年。
いいきっかけとばかりに大阪青年会議所と国際婦人福祉協会の有志が中心となって設立されました。
セーブ・ザ・チルドレンは大阪からのスタートなんです。
世界会議がイギリスでありまして、私が参ったのですがアン王女が"こんな若い人が務めてくださるならジャパンも大きくなりますね"といっていただきました」。
フィリピンに小学校を設立したり、ベトナムの食料問題に向き合ったり。
コロンビアの名誉領事も務められたり。

会社独自の財団もされているのだとか。
「『ユニオン造形文化財団』です。
26年前ですが、建築にシフトしました。
建築の若手を育てるということを目標に、ひとつは建築、デザイナーの方にテーマを出してデザイン賞を。
もうひとつは助成金を。
この財団も26年も数えると、各地でこの文化財団に関わってくださった方や応募してくださった方がおられます。
業界の登竜門になっているみたいですね」。

ドアハンドルの業界のトップを走り続けながら、広く世界を見つめる株式会社ユニオン。
会社の歴史は次週に続く...。