2021年

2月21日

過熱水蒸気の驚きの力! 時代が求めた食のシステム

今週のゲストはエースシステム株式会社の代表取締役・佐古圭弘さん。
どのようなお仕事をされている会社なのでしょうか。
「食品を製造する機械を作っています。
連続蒸気炊飯システムや過熱水蒸気を利用したスチームクッカーですね。
大手コンビニをはじめ食品工場など多くの企業に採用していただいています。
おにぎりですと1時間で1万4000個分のご飯が炊けます。
ステンレスのコンベアにお米を乗せて蒸気の力でトータル25分で炊けるんです」。

驚きの力を持つ過熱水蒸気。
どのようなきっかけからこのお仕事に?
「以前、腸管出血性大腸菌O157の問題がありましたよね。
その時にすでに開発していたんです。
あの菌は121度以上の熱を使って4分で殺菌できるんです。
過熱水蒸気だと実現できるとわかりました。
そこから過熱水蒸気の力を研究しています」。

製品が生まれるまでどのぐらいの期間があったのでしょうか?
「商品になるまでおよそ5年ですね。
開発、テストなど合わせるともっと。
連続蒸気炊飯システムはどこでお湯をかけるのか、何度がいいのか、たまたまテストでかけたタイミングを繰り返してテストしていき、ベストを探していく作業です。
もともとはお米だけでしたが、最近では野菜やお肉も過熱水蒸気で調理するととても美味しいことが分かりました」

過熱水蒸気で熱を通したお野菜をスタジオで試食させていただくことに。
「水蒸気で調理すると湯煎と比べて栄養価も違います。
細胞を壊さずに調理できますので、シャキシャキ感が違いますよ。
さらにはお料理の時短も可能なんです。
根菜は火が通るまでに時間がかかりますが、蒸した後のものを使うと、例えば『肉じゃが』ですと5分ぐらいできます。
野菜は細胞を壊さずに調理することが難しいのですが、過熱水蒸気なら可能です。
味も野菜本来の味がしますし、人参嫌いの小学生がこの調理法だと食べてくれたというお話を伺いました」。

水蒸気で加熱処理したお野菜は便利そうですね。
「店舗も構える準備があったが新型コロナウイルスの影響がありました。
そこから在宅介護者向けや一般向けに切り替え。
加工して真空パックすると日持ちもします。
これを商品としてにしたものをこれから展開したいと思っています。
特に在宅介護の業者の方に好評をいただいています。
介護士の方がお世話をした後にお料理もされる場合があるのですが、その時に素早く調理ができて、さらに少量でも高い栄養素を摂ることができます」。

実はスチームクッカー以外でも様々なものを開発しているエースシステム株式会社。
どんな風にして製品が生まれてくるのでしょう?
「構想は私がします。
それを設計チームに引き渡すとそれが実現できるというのが大きな流れですね。
頭の中にたくさんのアイデアがあります。
そのアイデアが求められる時代がやってきたり、それぞれ別だったが技術が合わさるタイミングがあれば、そこで新しいものが生まれてきます。
社名は"システムのエースに"という思いから来ています。
これからもたくさん開発していきたいですね」

会社の歴史は次週に続く...。