2021年

2月28日

大学との連携で大きく羽ばたいた過熱水蒸気システム

先週に引き続き、ゲストはエースシステム株式会社の代表取締役・佐古圭弘さん。
炊飯から野菜や肉の調理まで、しかも栄養価をそのままにという過熱水蒸気のすごい力のお話を伺いました。
今回は改めて会社の歴史を伺っていきたいと思います。
「今から34年前、二十歳の時に独立しました。
時はバブル絶頂期で色んな会社からお誘いもいただいたんですが、ある社長が"技術があるなら独立したらどうだ"と言ってくださったんです。
それがきっかけでフリーランスとしてパソコン一台で仕事をしていました。
その後に部品を組み付ける仕事をする流れができて工場を借りたりしました。
その8年後に法人化することになります」。

佐古社長はもともと機械がお好きだったのでしょうか?
「扇風機バラして感電したり、トースターをバラしたり(笑)。
学生時代は技術の先生に電気の方向を進められましたね。
学校で勉強をしただけでは通用しなくて、会社入ってから勉強をしました」。

過熱水蒸気を使ったスチームクッカー以外にも多くのお仕事をされています。
「独立した当時は制御装置をプログラム専門。
その8年後にベアリングを削る機械、N C旋盤を開発したり。
ロボットのシステム開発や完全オーダー品の開発製造も。
メーカーとして開発したのが炊飯でした。
現在では仕事の90%がこれですね」。

大阪府大との関わりも深いですね。
「当初8人の会社で研究費もありませんでしたが、論文を発表すると企業から大学へ依頼をいただけるようになりました。
お客さんを大学に連れて行くと専任教授が説明してくれます。
うちのショールームが大学にあるようなイメージです。
おかげさまで信頼知名度が上がりましたね。
今、社員は70名を超えています」。

大学とのお仕事でいいところは?
「学生さんのアイデアには驚くことがありますね。
野菜メニューを開発したり、新しいアイデアもありますし、さらには学生さんのニーズもわかるマーケティングもできます。
特許も共同で取るとバリア機能もあります。
大学がなければ今の会社はないですね」。

このお仕事の流れは最初からスムーズだったのでしょうか?
「大学に行ってないので大学が嫌いというか(笑)。
産学官関連機構があって声がかかってからやりはじめました。
事業計画書すら書いたことがなかったので苦労しましたね。
アピールしてプレゼンする場に出たりしたこともなかったです(笑)。
仕事を進めるうちに大学の先生から
"これまで大企業としか研究開発をしたなかったけど、中小企業との仕事は楽しかった" と言ってもらえました。
嬉しかったですね」。

今度のビジョンはどうみておられますか?
「儲かる農家づくりの一環として農業に力を入れていきたいです。
野菜はたくさん廃棄されています。
廃棄される前に美味しく栄養価の高いまま加工して、ロスを少なく。 
3兆円の野菜市場の2000億円がカット野菜なんです。
ぜひこれを広げていきたい。
独立した時の信念で"諦めてなければ失敗じゃない"と思っています。
これから思い描くビジョンを実現させていきたいです」。

竹原編集長のひとこと

素晴らしい技術を持つ中小企業がたくさんあります。
中小企業が大学と連携することで大きなジャンプができる好例ですよね。