2021年

8月15日

『Vision'25』で新たなソリューションを生み出す

先週に引き続き、ゲストは株式会社池田泉州銀行 頭取CEO 鵜川淳さん。

先週は、池田銀行、泉州銀行の時代から合併、そして現在に至るまで。
そして、創業70年に際して頭取の想いなども伺いました。
今週は池田泉州銀行の今、そしてこの先の未来のことを伺っていきたいと思います。
やはり、東京オリンピックの後は2025年の大阪・関西万博でしょうか。
「どういうことができるかを探しています。まだまだこれから企画をしていく段階ですので、具体的な話ではないですが、 私どもは銀行グループですのでパビリオンを出したり、いうことではなく、スペースを確保できるように努力して地元の事業者様の中から、素晴らしい技術などを万博の中でアピールできる機会を作ることができればとも思っています。

池田泉州銀行では『Vision'25』という取り組みも。
「昨年5月に『Vision'25』を発表しました。
この"25"はもちろん、万博開催の年。
昨年5月といえば、ちょうど合併10周年でした。
次の10年をどうするかということでその真ん中である万博を考えました。
この地域はたくさんの情報が集積されています。
そこから出てくるニーズや課題のお手伝いをさせていただくことがこの地域の金融機関のあり方だと思っています。
それが私たちの徹底したソリューションです」。

何か目標などはありますか?
「ソリューションというと、普通は長期プラン、経営計画...そういったものが一般的だと思いますが、この『Vision'25』では指標としては年間1万件。
この数のソリューションができる銀行グループを目指すことです。
その結果、儲け云々は考えない。
そのための組織づくり、能力アップが大切だと思います。
もし自分たちの能力で出来なければ外部の人と連携して進めようと思っています。
ニーズに対して"できない"は言わない。
"どうやったらできるのか""誰にいうとできるのか" 。
こういったことを銀行内に伝えているところです」。

年間1万件のソリューション。
すごい数字ですね。
「仕事の仕方によっては達成可能だと思っています。
投資信託や保険などを通常通りお勧めするとこれはソリューションじゃないと思います。
お客様のお話を伺って、財産の活かし方やニーズなどをお聞きした中でご提案させていただいて、お取引させていただければ、これはソリューションだと思います。
1万件が達成できればいいという訳ではありません。
1万件の中身はビジネスマッチングもあれば、高齢化ビジネス、相続なども。
バランスよくやっていくことが大切だとも思っています。
まずはお客様との会話の在り方から変えていく。
心、お客様への向き合い方。
これが『Vision'25』で私が一番やりたいことですね」。

この番組は放送300回を超えました。
鵜川頭取はこの番組についてどう思っていらっしゃいますか。
「ご出演していただいた企業さんそれぞれに歴史があって課題を克服していったストーリーがあります。そこにリスナーさんの共感もあります。
そして、竹原さんと高井さん、社長さんが醸し出す雰囲気。
これが番組の鮮度を保っていっていると思います。
この鮮度をずっと続けていただきたいですね。
いつもは出演される企業さんとご挨拶させていただくのですが、いざ自分が出演となると前日から緊張してましたね(笑)。

ラジオの中で各社いろんなお話が出てきますよね。
ものづくりだとか理系だとか。
でもラジオでこの雰囲気で聞くとスッと入ってきますよね」。

コロナ禍で大変な思いをされている企業さんのご出演もありました。
「収益的にも厳しいという企業様もおられました。
しかし、皆さん挫けておられません。
次を睨んでおられます。
我々はそんな力強い方々がおられる地域にある金融機関です。
私も番組に出ておられる社長様と同じ立場です。
銀行といえども、いち株式会社です。
ラジオを聴きながら社長様方は時々でそんな風に考えておられるんだなぁと勉強になります。
その中でストーリーを紡いでこられた方のお話は重みも感じます」。

改めて池田泉州銀行は今年創業70周年。
未来へのビジョンをお聞かせください。
「私はこの立場になりまして3年経ちました。
当時はマイナス金利の影響が厳しい時代でした。
銀行の収益をどう確保していくか、そんな時でした。
今度は『成長戦略』。
数値としての成長も考え方としてはありますが、ニーズ、課題解決のお役に立てるポテンシャルを上げることが『成長戦略』。
そしてそのポテンシャルをあげる仕組みを作ることが我々の立場の人間の仕事です。
本当に愛される金融機関グループとなるには、職員ひとりひとりが愛される職員にならねばと思いますし、お客様に向けた真心をもつ必要があります。
ひとりでも多くの職員の"心のスイッチ"を押し続けていきたいと思います。
これが私にとっての取り組み方だと思います。

竹原編集長のひとこと

最後はやっぱり"人" だなと感じますね。
ソリューションビジネスには人、個人の心、明るさ。
鵜川頭取のお話に明るさを感じますね。