2021年

11月21日

世界がユーザーに 広がるものづくりの夢

先週に引き続きゲストは株式会社ベッセル 代表取締役社長の田口順一さん。
お客様のニーズを商品化。
モニターを繰り返して精度を上げ、ドライバーの国内シェアは6割にも上ります。
プロから一般の方にまで大人気です。
「去年、コロナ禍で巣ごもり需要がありました。
DIYされる方が増えたようで工具がホームセンターで売れています。
工具製造の他にホームセンターを京都の福知山、和歌山の橋本に2店舗経営していまして、お越しくださる方が増えましたね」。

改めて創業から教えてください。
「創業は1916年、今年で105年になります。
私の祖父が創業した会社がグループの前身になります。
戦前に海外で活躍したいと思ってベッセルブランドを使っておりました。
祖父はもともと農業をやっていまして、平行して鍛冶屋もしていました。
"吹子"を使い赤く熱した鉄を叩いて伸ばして農機具を作っていたそうです。
そうするとマイナスドライバー作りを依頼されました。
このドライバーの依頼が増えて、これは商売になるなぁと進めたそうです」。

社長ご自身はどんな経緯で入社に?
「大学卒業後、工場に入りました。
自分は継ぐとはあまり思っていなかったんですけど(笑)。
私はもともと経済を勉強してましたから。
父は継がそうと思っていたみたいですね。
最初は工具よりも他の仕事をしたいと思っていました。
実は他の会社に勤めようと受験したこともあったのですが、ある会社の人事部長さんに"あなたは将来、やっぱりお父様が呼び戻すと思います。
試験は合格していますが、そういう方はご辞退いただいています"と言われました。
自分はそんなつもりはなかったのですが、世の中からするとそう見られているんだなと分かりました。
それならば勝負しよう...と決断して他の会社へは行かず工場へ入りましたね」。

実際に工場に入られてからはいかがでしたか?
「現場で一社員として働いていました。
工学部出身じゃないので、ものづくりを全然知らなかったんです。
仕事が終わってから勉強をしました。
熱処理、機械工作、金属材料...勉強することで、ものづくりの面白さ、喜びが分かりましたね。
私たちが作った商品を褒めていただくと本当に嬉しいですね。
経営ですから毎期成長していって、拡大して社員を幸せにするのが目的ですが、それだけじゃなくて、ものづくりは楽しいです。
新しいものを生み出して、使うお客様の生産性も上がりますよね」。

社員の皆さんと独自のコミュニケーション法があるそうですね。
「国内をはじめ世界各国に社員がいます。
社員のみんなに『Vプレス』という新聞を作りました。
新入社員の紹介や新しい商品紹介など掲載しています。
100周年の時に記念誌を作ったこともありました。
分厚い冊子はあまり読んでくれないんですよね(笑)。
ならば漫画だと。
この歴史の中に会社の生き方や経営理念が含まれています。
企画開発部が中心になって今まであったエピソードを漫画にして社内に配っています。 もう5、6冊になります」。

これからのビジョンは?
「社員ひとりひとり、世界中の人に製品を届けることを夢みて仕事をしています。
買っていただいて、使っていただいて。
工場で使っていただければ世界の産業に貢献しているということになります。
海外の販売拠点も増やして行っています。
毎年、輸出比率も上がっているんですよ。
社名が幸い英語なのでどこの国に行っても覚えていただけるんです」。

<プレゼント>
田口さんからリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
「 電ドラボール 」を3人の方にプレゼント!

≪ 宛先 ≫
メール: akarui@mbs1179.com
FAX:06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「 ベッセル プレゼント 」係
*当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

お客様の本当に欲しいものを作って販売するという、ものづくりの基本。
そして、社員さんが一丸です。
このものづくりはさらに伸びそうですね。