2022年

1月23日

"音声ペン"でペーパーレスの波を乗り越える

今週のゲストはKAMIX株式会社の代表取締役 宗次健太さん。
実は竹原さんは以前からのお知り合い。
改めてお仕事の内容から伺っていきましょう。
「大阪市内を中心に名刺、チラシなど印刷会社などの紙の卸売りをして70年になります。
私が三代目になります。
主に製紙会社から仕入れてそこからお客様に求められたサイズに断裁加工をしています。
細かく対応をしていまして、1枚から対応しています。
種類、寸法、絵柄や厚みなどを合わせると何万種類にもなりますね。
薄いもので0.04mmというのもあります。
私も一般的な紙は切れますが、薄い紙の断裁は難しいですね。
熟練の技が必要となってきます。
他に紙でいうと弊社の場合、読み物に使われる上質紙が4割近くの取扱いがあります」。

世の中はデジタル化が進んでいます。
ペーパーレスという言葉も。
会社としてどう捉えておられますか?
「私自身、デジタル化を推進した会社にいたこともありました。
国としてデジタル庁もできました。
これからもペーパーレス、デジタル化が進んでいくと思っています。
そんな中で事務的な用途に使われている紙はデジタル化に寄っていくと思います。
本のように感情に訴えかけるものやチラシなどのプッシュツールには費用対効果が高い事例もありまして紙のツールは残っていくと思っています。
印刷の仕方も以前では同じようなものを大量印刷していましたが、デジタル印刷というものができまして、一枚一枚、違う内容のものが刷れるようになりました。
デジタルと印刷を同時に使うというのが最近の流れですね」。

新規事業もありますよね
「ディーネットという会社があります。
元々、20数年前に母親が立ち上げました。
当時、印刷会社さんからの相談の中で"優秀なデザイナーさんを知らないか"という問い合わせがありました。
それならば、と母親がデザイナーを組織化してお客様にご紹介したり、デザイン業務を請け負ったりしたことが始まりでした。
そこから時を経て、およそ10年前ぐらいに見えないぐらい小さな2次元コードを作る技術を持った会社との出会いがありました。
英会話などの教材にはCDがついていましたよね。
CDだと頭出しだとか聞きたいところがすぐに出せなかったりします。
でもその小さな2次元コードを埋め込んだ教科書の文字を私たちが"音声ペン"と呼ぶ読み取り機でなぞると、音声ペンから文字を読み上げてくれる仕組みを作りました。
お子さんが遊びながら学習ができます。
印刷会社さんの先に大手の英会話学校がありまして、直接話をさせていただいたらやってみようということに。
専用の英語のコースをパイロット版的に作りまして、年を追うごとに徐々に増えてきて今年からメイン教材に採用されました。
紙の商売自体、コロナの影響で20%ほど減りましたが、この音声ペンと教材で賄うことができました」。

事業の中には『サロンドムネツグ』も。
「今、本社になっているところに20坪ほどの敷地があります。
元は紙を在庫して断裁して出荷していました。
1階は倉庫として使っていたんですが、レンタルスペースとして貸し出すことになりました。
実家にあったヨーロッパ調の家具やグランドピアノを置いて、イベントなどにお使いいただいています」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

積み重ねた紙のお仕事から音声ペン、そしてサロンまで。
時代が変化しても仕事が変化し続けていますね。