2022年

3月27日

商店街と学生 街のエネルギーを生み出す力 

今月は『万博情報発信特別企画』。
大阪・関西万博のテーマ実現やSDGsの達成に貢献するための活動『共創チャレンジ』に参画されているームをご紹介します。
今週のゲストは石橋商業活性化協議会の浅田圭佑さんと大阪大学外国語学部フランス語専攻の廣田咲さ。

どんなチャレンジをされているのでしょうか。
浅田さんに伺っていきます。
「私は石橋商業活性化協議会の事務局をしておりまして、会員様のホームページの編集などのご要望に応えしています。
いしばし商店街独自というところでは阪大生の皆さんと密に活動しています。
商店街を盛り上げることを学生さんに手伝っていただきたい、そして学生さんがやりたいこと、商店街で実現したいことをオープンイノベーションと名付けて今回、創チャレンジに登録しました」。

廣田さんはどういうきっかけでこの共創チャレンジをお知りになったのでしょう?
「SNSで活動を見たのが最初です。
私は長崎県出身で周りに知り合いがいなくて心細かったんですけど、協議会に見学に行くと先輩がいらっしゃったり、商店街の方がすごく良くしてくださいました。
人のあたたかさに触れて活動をしようと思いました」。

浅田さんも2年前まで阪大生。
現在は事務局におられますが、いしばし商店街の魅力をどう感じておられますか?
「新しいことをしようとしているので面白いですね。
今まで何かする時は商店街は商店街のみ、学生は学生のみでした。
それならば一緒にやったらどうかという試みは15年前ぐらいからありました。
でも認知度はまちまち。
今回、目に見えるオープンイノベーションという形で動いています」。

浅田さんはどういった形で参加なされたのでしょうか?
「商店街の掲示板にパン屋さんが手書きのポスターを貼っておられました。
"商店街で何かやりませんか""メンバー募集"と書いてありました。
具体的には何も書かれてなかったのですが、なぜか魅力を感じまして連絡をしました。
サークル活動とは一線...いや、五線ぐらい違いましたね(笑)」。

そのきっかけとなったパン屋さんとは?
「石橋阪大の顧問のような存在ですね。
石橋に来る阪大生はみんな知っています。
阪大と商店街をつなげたパン屋さん『タローパン』の堤さんです。
堤さんが商店街の役員になられた時があって、"学生さんと商店街を盛り上げたい"という想いがあったそうなんです。
でもどこから始めていいか分からずまずは友達から始めようと。
そこから繋がって15年です」。

具体的にどんな活動がありましたか?
「商店街ですので売り上げが上がるようにとも思いましたが、それは各お店によるところがあります。
売り上げを学生が考えるという違和感もありましたし。
学生がしたいことと商店街がしたいことが一致すると進める方向です。
最近だと『エコバッグのレンタル化』。
レジ袋の有料化のきっかけでそれを考えてくれた学生さんがいました。
1円でエコバックをレンタルして10店舗ぐらい参加していただきましたね。
一度レンタルすると返却のタイミングでもう1回商店街に来てくれるきっかけにもなりました」。

はじめてのお使いや子ども店長など『いしばし子どもプロジェクト』も。
「現在、子ども達がモールやショッピングセンターで買い物をすると思うんですけど、商店街で買い物をすることの楽しさも知ってほしいと思いました。
小さい頃から商店街で買い物をする経験があると子どもの感覚も変わるのではないか。
会議でいろんなアイデアが出ました。
商店街からのアイデアも阪大生の力を借りるとうまく進みますね」。

思い出に残る活動は?
廣田さんに伺います。
「12月に『おはこ文化祭』という阪大の学祭を商店会で開催しました。
私が所属するサークルの主催だったのですが、他のサークルが出店したり、ステージでの発表があったり。
サークルの一員として動いて地元の子どもたちや商店街の皆さんと仲良くできた楽しいお祭りでした」。

こういった活動は商店街と大学のつながりも大切にしつつ、全国から大学生をはじめ高校生、中学生にも来てほしいと語る浅田さん。
さらに『オリジナルデリバリー』もあるのだとか。
「阪大生が運営し配達するデリバリーシステムです。
学生が普段お世話になっている居酒屋さんがコロナ禍で困っていたところに"やりたいんや!"と始まっシステムです。
人数などの制約から1日だけの実証実験となったのですが、50件ぐらいのオーダーが入りました。
土砂降りの雨の中でも頑張って配達していましたね。
自分の母校の学生が頑張ってくれていること、その学生が自分の意志で機会を作って呼びかけると仲間の学生が反応してくれる。
本当に嬉しいですね」。

2025年まで数年あります。
これからさらにどうやって盛り上げていきましょうか?
「たくさんの中高大学生の皆さんにいしばし商店街を実証に使っていただいて、そこから起業したり。
それが万博会場で披露された時に"これって元はいしばし商店街から生まれたんやで"と言ってもらえた嬉しいです。
さらに万博の時にはいしばし商店街に遊びに来てもらえるとより良いですね。
商店街が単に売買の場所というだけではなくてあたたかみやコミュニティといった人の繋がりを提供できる場にしていきたいと思います」。

街と人、商店街と学生。
人と人との繋がりが新たな力を生み出します。

やコミュニティといった人の繋がりを提供できる場していきたいと思います」。

街と人、商店街と学生。
人と人との繋がりが新たな力を生み出します。

竹原編集長のひとこと

技術ではなく、想いや取り組みの紹介。
全国の商店街の新たな活性化に繋がりそうです。
大学の地元を愛する学生さんも素晴らしいですね。