2022年

8月 7日

機械化できない細やかな人の力を活かす仕事

今週のゲストは株式会社アバンテ 代表取締役 吉備均さん。
幅広いお仕事をされているという株式会社アバンテ。
どんなお仕事をされているのでしょう。
「一言で言いますと物流業務の中の流通加工業務がメインです。
ではその流通加工業とは何なのか。
一般的に内職で加工する手加工だったり、組み立て・袋詰めのアッセンブリになります。
色んなお仕事がありまして、小さいものですとノベルティグッズ、販促品だったり、化粧品のキャンペーンなどで使われるひな壇の組み立てもあります。
それが現在のメインになっていますね。
大きいものでは人の等身大パネルもあります。
貼り付けて組み立てて、たたんで出荷します。
多品種小ロットで機械化できないものが増えてきていますね」。

人の力が中心になっている物流加工。
これは全体の売り上げの半分ぐらいなのだそう。
「化粧品の包装表示。
化粧品にシールを貼って箱に詰めて出荷。
小ロットだとマシン化して流すのは難しいんですね。
効果効能のある医薬部外品のシャンプーも会社として許可をとっているから扱えます」。

多くの人の力が必要な内職。
株式会社アバンテはその業務の質を向上させています。
「例えばボールペンと鉛筆を同じ箱に入れる仕事があるとしますよね。
でもそこには1本しか入っていない、入れ忘れが出てきます。
それをなくして品質を上げるためにパートさんにきていただき数の管理をします。
さらに重量で審査できるウエイトチェッカーもあります。
人と機械を合わせてのハイブリット管理です」。

東大阪、奈良、堺に工場が。
「東大阪は化粧品が、奈良はクレーンゲームの景品などの包装をする作業。
堺・美原では大手商社さんの物流業務を担っています。
当社だけで230人ぐらい。
グループ合わせると600人ぐらい。
さらに協力会社を合わせると1000人以上のスタッフがいます」。

飛沫防止パーテーションなどもお作りになっています。
「どんなものも受注できるものは受けさせていただこうと思っています。あとはお客様の予算と品質のレベル。
生き物の取り扱いはないですが、食品や医薬品、工業用部品なども取り扱っています。
大体、箱に詰めるまでの秒数を測って、かかる時間と労力を算出します。納期、値段、品質、嵩の問題もあります。
小さいものだと置いておける場所も小スペースですが、大きなものは作業をする場所が難しかったりします。
そういうことも全て当社でできるように作業所を造作しています」。

最大1000人のスタッフの皆さん。
どんなコミュニケーションを図っていらっしゃいますか?
「社員は旅行だとか忘年会だとか。
年1回の決算時に『決起大会』というものがあります。
みんな集まって決算内容を発表して来季の予算などを見ます。忘年会を部署単位でやって集会をしてもらいます。
みんなでする仕事なので集まってすることは大切だと思います。
実際に作業をすると1日目と5日目はスピード感が違います。
作業が進むにつれスピードアップして1.2倍前後の速さになりますね。
商品数が少ないと手が慣れる前に終わってしまいます。
同じ量をたくさん作業する方がスピードアップするのですが、そうもいきません。
商品のチェックも100個作るものがあれば、10個ずつ数えていきます。
途中、数が余っても10までだったらすぐに数え直せます。
これが単位を大きく割って300だったりすると、300までたどり着いてから余りが出たら最初から数え直しですから(笑)」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

人の力の内職を大きな組織として大きな力へ。
そこに機械の精度も加えました。
ハイブリッド内職ですね。