2022年

8月28日

社長に依存しない組織で動く会社づくり

ゲストは先週に引き続き、三宝化成株式会社の代表取締役社長 岸本圭司さん。
容器からヘルメットまで。
樹脂、プラスチックで様々な製品をお作りです。
改めて創業からのお話を伺っていきましょう。
「創業は1977年の10月、創業経営者は父です。
大阪市浪速区で個人商店として10坪の倉庫からスタートしました。
父が勤めていた会社がプラスチックや合成樹脂を扱う仕事だったそうです。
親会社の商社がその会社を整理することがありまして、そのタイミングで一念発起して起業。
元々信頼いただいていたお客様への商品の提供という形で継続してお仕事をさせていただきました。
そのお客様とは独立する前から数えると50年近く今でもお取り引きしていただいています」。

創業当時はどんな様子でお仕事をされていたのでしょう。
「第1次オイルショックの時代ですね。
原材料さえもなかなか入手しにくい時だったと聞いています。
ましてや容器のデザインなどは限られたものしかなかったそうです。
大変な時代でしたが、お客様第一として商品を提供できる環境を作るのに懸命だったそうです。
父はそんな中でも独立のきっかけをいただいたことはラッキーだったと言っておりました」。

現岸本社長は幼い頃、お父様のお仕事はご覧になっていたのでしょうか?
「創業は私が2歳の頃ですね。
母と二人三脚でトラックに乗って配達をして、帰ってきては荷造りをしてまた配達...。
私もトラックの助手席に乗って配達について行ったりしていましたね。
母からお父さんの仕事を継ぐもんや、と言われていました。
意識づけをされていましたね。
一時期大学を出てすぐ就職も考えましたが、父から会社に来て欲しいと言われました。
当時は不本意でしたが、やっぱりこれまで世話にもなっているし、大学まで出させてもらって...よっしゃ、わかったという感じで」。

入社当時の会社はどんな様子でしたか?
事業規模は10数名、今の半分ほどの規模でした。
私もいちからトラックに乗って配達からスタートして、現場を知るところから始めました。
そこから営業をしたり総務をしたり徐々に幅を広げてきました。
40歳の時に代替わりしました。
父は少し実務を離れましたけど会長として元気に出社しています」。

いざ社長に。その時はどんなお気持ちでしたか?
「準備期間を2、3年経て40歳の時に就任。
父の仕事は創業者として自己完結の仕事です。
人も少ないし、自分で完結させる。
私の代ではそれではこの先難しいと考えて最初に逆のテーマを掲げました。
それは"社長がいつ死んでもいい会社をつくる"。
社長に依存しない、組織で動く会社づくりという舵の取り方をしました」。

社長就任後は順調に?
「今では笑い話ですが半年たって"社長を辞める"と言い出したこともありましたね(笑)。
親子間で色々とありました。
でも徐々に父もバトンを渡したという意識、私も継いだという意識。
今では少しは認めてくれたかなぁと思いますけど。
聞くのも恥ずかしいですし(笑)」。

去年ショールームをお作りになりました。
「昨年1月、東大阪市に本社兼ショールームを立ち上げました。
今までは展示する場所もなくてお客様へのイメージづけができなかったんです。
ショールームを機に朝にお越しいただくと夕方にはパッケージデザインが出来上がるという環境のイメージで。
広報担当もできましたし、色んなお客様のイメージをお聞きしています。
ふと立ち寄れるような雰囲気のショールームの形を目指しています」。

このショールームのアイデアはどこから?
「私のアイデアと社員のアイデアをできるだけ盛り込みました。
中に入っている什器がどんなものなのかはオープンする当日まで知りませんでした(笑)。
私に内緒のサプライズです。
チームで一生懸命に考えてくれましたね」。

サプライズを生み出す社員さんと受け入れる社長さん。
どんなコミュニケーションをとっておられるのでしょう。
「社員に対して閉塞感を生んではいけないと思います。
むしろ何も言わないことが多いと思います。
社員が自分で考えて結論を出す。
失敗を恐れないでいてほしいし、挑戦をして欲しいと思います。
ショールームは社員が考えた成功例だと思います
工場でも女性や若い力が増えてきました」。

この先の未来のビジョンは?
「今年で創業45年。
業態は時代とともに変化してまいります。
そこに抵抗を持たずに100年企業を目指していく大きなビジョンがあります。
パッケージの先の未来を考えて全ての方々に想いを形にする会社像であり続けたいです。
パッケージだけではない、多方面のものを形にしていきたいです」。

10坪の創業時代からショールームへ。
ものづくりを社員と紡いでいきます。

<プレゼント>
岸本さんからリスナーのみなさんにプレゼントを頂いております。
「『TOSSWARE』プラスチック製ワイングラス4個セット」を12人の方にプレゼント。
応募方法は番組公式Twitterのフォローとプレゼント告知投稿のリツイートをいただいた方の中から抽選でプゼント。
ご当選されました方には、番組スタッフからTwitterにてダイレクトメールをお送り致します。

竹原編集長のひとこと

創業者からの事業承継を経て、自分のスタイルを生み出しておられます。
おしゃれなショールームはその結晶ですね。