2022年

10月 2日

ニーズは1mm刻み 創意あふれる通い箱

今週のゲストは第一大宮株式会社の代表取締役社長 松岡貴峰さん。
以前、取材をしたことがある竹原さん曰く「面白いものづくりの会社」。
改めてどんなものをお作りなのでしょう。
「軽量プラスチックを使って、商品を運ぶ容器"通い箱"を作っております。
元々会社は段ボールから成り立っていたんですが、段ボールによっては紙片・紙粉などが出て工場に入れることができない場合があります。
そんな時にプラスチック製の段ボールの"通い箱"を作ったというわけです。
国内の工場ではどんどん樹脂化していこうという方向になっています」。

企業間同士が使う工場への運搬をするための『通い箱』。
「お客さんからサイズをオーダーいただきます。
縦横高さを1mm刻みで作ることができます。
箱にもいろんなタイプがあります。
箱そのものもあれば、折り畳みタイプなども。
それを用途に応じて提案をさせていただいています。
運ぶときはぴったりのサイズでお作りするわけですから、サイズの無駄を省けてコストを下げることができますし、運搬後は折り畳めて収納もしやすくできます。
実は高級ブランドの靴箱も平板を曲げて作っています」。

創意工夫で様々な通い箱、箱を生み出す第一大宮株式会社。
早い段階からされていたのでしょうか?
「プラスチック段ボールは東罐興業という会社が世界で初めて作ったんです。
その会社と元々段ボールでお取引があったんです。
プラ段の誕生の初期から取り扱いがありました。
この業界では弊社が加工においては歴史があると思います」。

扱っておられる数はかなりのものなのでは?
「1万種類以上のものがありますね。
元々は紙で図面がありましたが管理しきれませんので、デジタル化しています」。

引っ越しなどで活躍する養生材も。
「元々は養生ベニヤだったんです。
ベニヤの板はささくれができますよね。
それをプラスチックの板にしようと。
私どもの工場にプラスチックの廃材が出ますが、それを粉砕して再生して作ります。
商品名は『養生くん』といいます。
何度も使えますし、軽量。
壁にはプラ段、床には『養生くん』。
金庫は400kgがありますが、その重さにも耐えます」。

新型コロナウィルス飛沫感染防止対策用として、机上用ついたても。
「テレビを見ていて段ボールを切って仕切りを作っておられました。
これはうちでも何かできないかと思いまして。
材料があったものですから作ってみました。
うちのお客様に計5000枚ほどプレゼントとして配ったんです。
それをきっかけに発注をいただきました。
最終的には30万枚も売り上げました。
海外のオフィスは元々仕切りがなされていたりします。
日本でもコロナが収まった後でもセパレートになるのではと思います。
商品名は『ドゥ・ウォール』といいます」。

多くの商品はどういった提案から生まれてくるんでしょうか。
「私も提案をしますが、営業がお客様からのニーズを聞いてきます。
その情報を社内公開しまして、これにどう対応しようかと。
公開する事で他の方面から同じようにお客様の声が集まってきます。
こういうところから生まれてきますね。
私も新しい物好きですから(笑)。
次から次に考えるのが好きでして。
加えて販売店さんが売りやすいということも考えますね。
展示会に出すとお客様の声も集まります。
それが耳に残っていたりするんですよね。
買い物に行っても商品を見ずに箱ばかり見たり(笑)」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

お客さんの声が創意を生んで工夫を生む。
ものづくりの根っこを聞かせていただきましたね。