2022年

10月16日

ニーズに答えて1000店舗! 地域にあった麺づくり

今週のゲストは株式会社ツルミ製麺所の代表取締役 佐々木博文さん、そして専務取締役 佐々木智道さん。
番組初、兄弟でのご出演です。
長男が博文さん、三男が智道さん。
次男の方も会社におられるそうです。

「継ぐ気もなかったんですけど、高校3年のときに父が倒れまして。
大手家電メーカーに勤めて営業職をする予定だったんですけど、お断りしまして継ぐことになりました」と博文さん。

製麺のお仕事をされていますが、どんな麺を?
「生ラーメン専門で作っています。
パンフレットに載っているだけで59種類。
全部で300種類以上あります。
定番もあればお店からのオーダーにもお応えしています」。

それだけのニーズに応えるには大変なのでは?
「大変です(笑)。
1種類だけがいいんですけどそういう訳にはいかなくて。
店舗でいうと全国1000店舗、大阪、沖縄から東北、ここ数年には海外にも冷凍して送っています」

ラーメンにはどんな特色があるのでしょう。
「小麦に含まれる水分量によって変わります。
水分量が少ない低加水麺、博多の麺がそうです。
関西や関東などは中加水麺。
東北や北海道は高加水麺です。
水の量や添加物、加工の仕方で種類は無限に広がります。
寒い地域は練り加減が良くないので水を加えたのかなと思います。
『博多28番』という麺は細い麺です。
漁師町でお腹を空かせた方が早く作って欲しいということで、30秒ほどでさっと茹で上がるものにしたのではと思います。
食文化ですね」と博文さん。

製造はどういった工程で?
「まず生地を作るためにミキサーに小麦粉と練水を入れて10〜15分練ります。
すると麺塊(めんかい)というものができます。
その麺塊を複合機に入れて圧延します。
その後、寝かせて。
機械で薄くして切り刃で麺の種類によって切ります。
5色ずつ包装して金属探知機でチェック。
重量チェック、冷蔵保管、出荷という流れですね。
1日平均5〜6万食を作っています。
年末年始、夏休みなど繁忙期は最高で8万食出ることもあります。
工場がフル稼働ですね」と智道さん。

お二人は工場へ入られたり?
「今日も朝イチで麺を切ってきました。
同業者はしてないと思いますが僕はあえてやっています。
弟も繁忙期は入りますね。
三兄弟全て工場にいることもあります。
コロナ禍で濃厚接触者が出ると助っ人として入ることもありました。
社員の皆さんともお話ができますし」。

兄弟でお仕事をされているとどう呼び合っておられるのでしょう?
智道さんはお兄さんのことを何と呼ばれるのでしょう。
「最初はあやふやでしたけど、今は社長と呼びますね。
会社に入りたての頃は"ひろちゃん"とか(笑)」。

麺以外の製造も? 社長の博文さん、いかがでしょう?
「スープは外注品を販売しています。
将来的に作ることができたらいいですね」。

麺作りの他にお店作りの相談も受けておられるとか。
「開業相談をお受けしています。
全く経験のない方からのご相談もあります。
店舗探し、お店の作り方、業者の選定、メニュー。
色んなお店を見させていただいているからこそのお話ができると思います」と智道さん。
「1000店のお店とお仕事をさせていただいていて詳細なデータを持っています。
大きなチェーン店でも1000店はなかなかないですから。
今、日本の飲食店が150万店舗ありまして、年間で17万店舗なくなります。
計算でいうと9年で全てなくなることになります。厳しい数字ですね。
流行るお店はやはり、良い場所ですよね、次に人です。
昔みたいに味だけではなくてトータルで評価されています」と博文さん。

まだまだ市場は広がるのでしょうか?
「中華麺は横ばいの状態だと思います。
人口も減っていますし。
新しいことにどんどん挑戦して変化が必要だと思います」。
頷き合う佐々木兄弟でした。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

三兄弟という間柄で会社を支えるっていいですね。
しかもしっかりと役割分担がある。
気心以上の絆がありますね。