2022年

10月30日

五感に訴えかけるお菓子を生み出す

今週のゲストは有限会社五感の代表取締役社長 浅田美明さん。
北浜の本店をはじめ百貨店のスイーツ売り場でもお馴染みです。
「自分自身は生まれた時から菓子屋です。
1958年に父が新大阪の借家で卸の仕事をしはじめました。
ドーナツを駄菓子屋さんで売ってもらっていたのが創業当時ですね。
私の生まれる前からお菓子に縁がありました」。

どういったきっかけでお菓子の道へ?
「小学1年の時に父が会社を東淀川区豊里に移して卸の仕事を大きくしたんです。
その後、オイルショック。
その時に売ってもらうのを人に任せていたらいけないのではと思ったらしいです。
私が17歳の時に父が『プチプランス』というお店を立ち上げて、1978年に1号店が上新庄にできました。
お店はよく手伝っていましたね。
思えば小学生の頃から手伝っていました。
中学生の頃はバームクーヘンを焼いたり。
親父の言うことは絶対の時代ですからね。
忙しい時に駆り出されるのがイヤでイヤで(笑)。
両親は幼少の時代に戦争があって、貧しい暮らしも経験しています。
親父は中卒、その後、菓子職人に。
母は検定試験で高卒資格を取りました。
そんな父の元ですから厳しくも愛情を持って育ててくれました。
父からは「お前らは大学に行け」と言われましたね。

そして関西大学に入学。
「お菓子屋にはならないと思っていましたからね。
何か自分の道を探そうと思っていました。
しかし、実家のお菓子は売れないし職人さんも離れていく。
そこでいらっしゃる職人さんに学びながら会社の手伝いをして...。
当時はお菓子屋になって...というビジョンは全くありませんでしたね。
家族一致団結しないと家計が持たない。
それが入口でした」。

現在の『五感』とはどういったきっかけで生まれましたか?
「プチプランスの当時ですが、2000年に初めて先輩、業界仲間と、うめだ阪急さんで催事をさせていただいたんです。
もちろん初めての経験でした。
どんなお菓子が提供できるのか一生懸命考えました。
プチプランスをそのまま持っていくのではなくて、百貨店にお越しのお客様にも喜んでいただけるお菓子。
そこで2003年に『GOKAN』がうめだ阪急で生まれました」。
米粉で作られたロールケーキはたちまち話題に。

スタジオには『GOKAN』のルーツともいえるロールケーキが。
「材料に米粉、米飴を使っています。
その他はシンプルなロールケーキの作り方をしています。
だから素朴な味でサラッと食べられるんですよね。
農家さんと一緒にやっています、などお客さんに強く発信したわけじゃないんです。
でもこれに込めた自分の思いは"日本の素材を大事にしよう"ということ。
親父やお袋が言っていた"お米をもっと大事に"。
『GOKAN』という名前も当時、仲間たちと五感に訴えかける仕事をしようよと言っていたことなんですね」。
『五感のロールケーキ お米の純生ルーロ』の箱には"創業以来、日本の農家の方々と一緒にお菓子を通じて食文化を伝えたい一心でお作りした五感の原点でもるお米の純生ルーロ"とあります。

『五感のマドレーヌ ええもん』も人気商品です。
「ロールケーキを送って欲しいというご要望があります。
賞味期限が1日ですので、クール便で送っても時間が経ってしまいます。
では何を作れば送れるのか、と。
このロールケーキのイメージでどんなものを作れば喜んでいただけるかを考えました。
同じ国産黒大豆を入れて、少し日持ちをさせるために国産小麦粉も少し入れたマドレーヌを作りました。
それによって1週間、日持ちします。
ロールケーキと同じような感覚で味わっていただける素朴なお菓子です。
うちのお菓子は保存料などが入っていませんから長い旅はさせられないんです。
だから賞味期限内でも保存状態によっては痛んでしまうことがあります。
それが弱点であり、うちのお菓子という証明でもあります。

会社の歴史は次週に続く...。

<プレゼント>
今回、浅田さんからリスナーのみなさんにプレゼントを頂いております。
「ええもんならべ(黒豆マドレーヌ5個 和栗マドレーヌ5個 レモンケーキ『レモンさん5個』)計15個入り」を、5人の方にプレゼント。
尚、応募方法ですが、公式番組Twitterのフォローとプレゼント告知投稿のリツイートをいただいた方の中から抽選で当選者を決めさせて頂きます。ご当選されました方には、番組スタッフからTwitterにてダイレクトメールをお送り致します。
番組Twitterのアカウントはホームページに掲載していますのでご確認ください。
たくさんのご応募お待ちしております。

竹原編集長のひとこと

国産素材にこだわったお菓子。そこには確かな想いがありますね。
スタイリッシュで親しみやすい。
とても楽しいお菓子です。