2022年

11月13日

自動車の運転教習と整備士も育てる

今週のゲストは株式会社阪和鳳自動車学校 代表取締役 嶋田豪洋さん。
校長先生でもある嶋田さん。
改めてお仕事の内容を伺っていきましょう。
「以前は早くから運転免許を取得されましたが、最近はちょっと傾向が変わりましたね。
ご両親に言われたからとか会社から言われて取得しにきた、という理由が多くなってきましたね」。

学校の特色をおしえてください。
「平面面積は大阪府下で一番広いです。
大阪府で唯一全車種の教習をしていることも特色です。
普通車から二輪車、大型、牽引車など全てです。
自動車学校の中で右折と直進車の事故のシチュエーションが再現しやすいんです。
バスがいてその影から二輪車が出てくる...というような。
一般道路と同じ状況が再現できるんです。
加速しやすいということも特色です。
小さな学校ですとすぐにコーナーがやってきますが、うちなら加速もしやすいです。
ひとつの車種を取ると次もここでとなる場合がありますね。
別の教習所に行かれてからうちに来ていただくと走りやすいというお声をいただきます」。

嶋田さんは先生もご経験されています。
「20代後半から40代半ばまでは、教習、講習、学科講習、検定など一通りやりましたね。
うちの建物はバブル全盛にできたもので綺麗に作ってありますね。
いろんなサービスがある学校がありますが、本業は教習ですね」。

自動車学校だけでなく阪和鳳自動車工業専門学校も。
「開校は昭和29年。
当時は文部省認可の各種学校で阪和鳳自動車学校の中に運転科と整備科がありました。
運転科を卒業したら運転手として、整備科を卒業したら整備士として。
職業訓練学校のような形でしたね。
現在の免許取得の様子とは違い、そのまま職業に直結するものでした。
本校に"免許取得した方募集します"という就職案内の張り紙があったほどです。
運転手が特殊技能だった時代です」。

阪和鳳自動車工業専門学校を卒業するとどんな資格を得ることができるのでしょうか?
「電気系統、エンジン回りなど二級整備士のカテゴリーを学びます。
卒業してから登録試験を受けるわけですが、当学校を卒業すると技能試験は免除となって学科試験のみです。
その代わりカリキュラムをクリアしなければなりません」。

どんな方がこの専門学校に来られるのでしょう?
「入学の時に私が面接をするのですが、半数以上が小さい時から車が好きという方ですね。
女性は毎年60〜70人の入学者の中に1〜2人ですね。
そんなところに入学したい女性ですから気が強い方が多いですね。
整備の知識もあるし、営業もできるということでディーラーさんには喜ばれますね。
実際に女性の整備士は少ないかもしれませんね」。

女性のトラックドライバーさんは増えましたね。
「私自身、30数年前、大型免許を取った時ですが、パワーステアリングがなかった時代です。
車を止めたままでハンドルを回そうと思っても重たい。
今は大型車両にパワーステアリングが搭載されていますから、女性が大型免許を取りやすくなりましたね」。

高齢者のニーズはいかがでしょうか?
「70歳以上の方の受ける高齢者講習。
これを受けないと免許の更新ができません。
私が入社した平成の初めはほとんどありませんでしたが最近は増えてきました。
今は"再教育"といいますか、違反車講習、取消処分者講習などが増えました。
自動車学校を卒業した後は技量的にはみんな同じなんですよ。
しばらくすると我流ができてくる。
左折をするときは道路の左端に寄らなければいけない。
80〜90cmぐらいの距離を保ちながら曲がっていくのが良い。
これが脱輪するのが怖いので間が空いてくる。
そうするとそこに二輪車などが入り込んで巻き込み事故の原因になります。
違反や事故を起こした人が講習に来ると"ああ、思い出してきた"と。
高齢者講習をやっていて感じるのは一時停止をしてくれる方がとても少ないことです。
体感では8割ぐらい。
ご本人は停止のつもりなんです。
でも静止していない。
我々の目からすると徐行なんです」。

教える立場からリスナーのみなさんにメッセージをお願いします。
「今年は大阪府下で死亡事故が多発しています。
ここ数年、愛知県がワースト1だったんです。
今年は大阪が...。
気をつけていただきたいですね」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

広さ、車種、ここでしかできないという強みがいいですね。
阪和鳳自動車工業専門学校設立当時の時代も興味深いです。