2023年

7月30日

お金と人材を学び、自分を育ててくれた家業を継ぐ

先週に引き続き、ゲストは高尾珈琲株式会社の常務取締役 高尾悠太郎さんです。
今週は会社の歴史を伺っていきましょう。
「1937年(昭和12年)に曽祖父が個人店として創業しました。
当時はお酒の販売をしていたそうです。
そこから1960年に日本に於いてはコーヒーの全面自由化がありまして、1961年ごろに珈琲の取り扱いを始めたそうです。
当時は解禁されてすぐに第一次珈琲ブームとよばれるものがありまして、ご家庭というより、喫茶店でよく飲まれるようになったそうです。
当時は焙煎した豆を飲食店に卸すのがメインの仕事だったようです。
今の社長、私の父が三代目で7〜8年前からスーパーや百貨店向けの商品に力を入れています。
タイミングとしてはサードプレイスカフェが増えた時期でした。
その中で次の柱というものがないかということで小売店向けの商品を強化しました。
創業でいうと86年になりますが、一般の消費者の方に向けての商品を売り出してまだ10年も経っていません。
消費者の皆さんからも"こんな老舗の珈琲屋があったんや"とお声をいただくこともありますね」。

高尾常務自身、入社はいつから?
「会社に顔を出したことは幼い頃からありました。
実際の入社は5年前でした。
それまでは銀行、マイナビの営業をしていました。
仕事をしながらいずれは家業を継ぐだろうという思いはありましたね。
その中で大事なお金のこと、人材のことを学ばせていただきました。
新卒で銀行に入って法人営業をさせていただいて、そこから人材の営業を。
会社を支えるのは人だと思いました」

実際に入社してからはいかがでしたか?
「実務的な話でいうと、なんでこんな無駄なことやってるんやろ...もっと効率よくできるやんと思うことは数え切れないほどありまして(笑)。
そういったことをさせていただきながら、効率化を図っているところですね。
働いているパートさん、従業員の皆さんもしっかりとワークライフバランスを重視できる会社にしていきたいと思っています」。

社長であるお父さんとのコミュニケーションは?
「密にとるようにしています。
思ったことはストレートに伝えるようにしています。
私が生意気な性格ですので(笑)。
銀行でいろんな経営者の方を見てきましたが、ありがたいことに社長である父は圧倒的に頭が柔らかいんです。
私がどれだけ生意気な言い方をしても中身を受け止めて議論をしてくれます。
とてもありがたいと思っています」。

常務が幼い頃から会社を継ぐ流れだったのでしょうか?
「実際に父親から掛けられていた言葉は"商売は大変だから来るな"。
継ぐということは考えなくてもいい、と。
私が銀行に勤めることができたので、勤め上げていいと思ってくれていたみたいです。
その中で性格的にサラリーマンをずっと続ける大変さ、自分の考え方を活かせる仕事をと思っていましたので、新しく会社を興すよりは、私を育ててくれた会社をより良くする。
それが私の大事なことだと思いました。
だからといって父はすぐに首を縦には振ってくれませんでしたね。
当時は業績も抜群に良いわけではありませんでしたから」。

ご家族はどんな風に思っておられたのでしょう。
「私の妻が医者でして。
すごく責任感のある仕事をしている中で私が大手で勤めておけば、家庭も安定します。
商売をすると時間的に厳しかったり、ストレスもあります。
父からは家業を継ぐ、戻ってくるのをもう一度よく考えてと言われましたね。
私も自分を育ててくれた会社になんとか恩返しをしたいという気持ちから押し切って入社を決断しました」。

社長と常務、仕事の分担は?
「細い数字の部分は社長、現場の営業を含めたところは私です。
社長の中ではあと5年ぐらいで社長を交代しようという思いはあるようなので、今、少しずつ仕事を引き継いでいます」。

今度のビジョンは?
「この円安のタイミングで中国、東南アジアへの輸出を含め、商品を強化して増やしていければと思っています。
直接輸出しているわけではないですが、輸出商社経由で香港や中国の店に少しだけ並んでいるそうです。
そして、目先のことでいうとあと14年、創業100年を目指したいと思います」。

大阪の老舗珈琲会社の商品は100年と世界を目指す。

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竹原編集長のひとこと

銀行でお金のこと、そして人材情報を学んで家業を継ぐ。
三代目であるお父様もきっと心強いでしょうね。
創業100年まであと少し! 頑張ってください!