2023年

11月19日

市場からつながる新しいコミュニティー

先週に引き続き、ゲストは大阪南部合同青果株式会社の代表取締役社長 中谷泰明さんです。
地元・大阪の野菜や果物を広める地産地消の仕組みを作っておられます。
「ブランド力をこれから、もっと高めていきたいと思います。
地場の商品を増やしていきたいですね。
国が後押ししてくれているG I認証商品を増やして、多く流通できるようにしたいです」。

今週は改めて会社の歴史を伺っていきましょう。
「創業は昭和43年に南部合同青果として創業しました。
名前にありますように合併して誕生した市場です。
前回の70年万博の際に大阪南部の道路整備がありまして、八尾、松原の中央環状線に係る3つの市場が合併して生まれました。
元々、八尾の亀井という場所に市場がありまして、奈良から大阪へ上がってくる商品を私たちが一時受けて、大阪・天満へ商品を持ち込んでいました。
中央市場に商品が集約したり、JA組織などの出荷団体が形成される前の話です」。

合併は大変だったのでは?
「私自身は合併してから入社しています。
私の祖父時代、苦労は当然あったと思いますね。
私で8代目になります。
オーナー会社だと10数年で3、4代目ぐらいだと思いますが、父は4人兄弟で順番に社長を経験して、従兄弟も社長をしたり。
そして現在は私が。
その時々、時代に合わせた形態の仕事をしています」。

中谷社長はいつ入社されたのでしょうか?
「大学を卒業してからサラリーマンを経験しました。
商社で繊維関係の仕事をしていました。
繊維関係の仕事を通じて、日本は殖産興業として繊維に力を入れた時代でしたね。
大阪の紡績業も大変に盛んでしたが、父が退任する段階で私も、いち営業として入社しました」。

先代社長であるお父様から入社を勧められたのでしょうか?
「全然なかったですね。
当時、35歳でしたが自分の決断で入社しました。
入社後も何も言われなかったですね。
現会長、全相談役、従兄弟に入社の旨を相談すると、ぜひ協力してくれという話もいただいて入社しました」。

中谷社長はよく日に焼けていらっしゃいます。
「全国を回っていることもありますが、体を動かすことも好きでゴルフ焼けですね(笑)。
全国を回って産地へ行って生産者と会って、地元の美味しいものをいただきつつ、コミュニケーションをとることが楽しいですね。
こんな新しい品目ができた、じゃあ売らせてよ、という。
一次卸の人間としたら楽しいですね」。

若い方で農家に新規参入される方もおられますね。
「若い生産者の方からはどんなものを作ったら儲かるかという話がよく出ます。
新たな品目を作ることも大切ですが、青果流通は圧倒的なボリュームを消費地に広げることが本筋だと思います。
いちごでいうと、各地でどんどん新しい品種が出てきています。
野菜はレストランが直接生産者とやり取りをするなど、市場流通とは違う流れも生まれていますね。
ある意味、難しい時代ともいえますが、若い方々が新しいことをしていかないと時代が進みません。
我々がそれを否定してはいけないのです。
時代が進んで、我々がそれに追いついていきたいと思います」。

未来へのビジョンを聞かせてください。
「市場というのは商品が各地から集まって、そこにたくさんのお客様にお越しいただいて。
4〜50年前まではそうでした。
今は、スーパーに商品を卸す。
食というのは地域と切っても切り離せないことでもあります。
我々は一次卸しを根幹としてありながら、地域に貢献できたらと思います。
新事業のカフェ&マルシェでもナイトカフェを開催しているんですよ。
これから市場が主体となって産地と消費者、市場と地域、人と人。
こういったコミュニティを南大阪で形成していきたいです」。

市場はいつも人の暮らしと共に。

<プレゼント>
中谷さんからリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
「 カフェ&マルシェ"the PARKSIDE"で使える¥1,000チケット(¥3,000分) 」を5人の方にプレゼント!
≪ 宛先 ≫
メール : akarui@mbs1179.com
FAX  : 06−6809−9090
ハガキ :  〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「  大阪南部合同青果株式会社 プレゼント 」係
*当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

地域に根付いた市場が時代と共に変化していますね。市場はいつも暮らしの味方。
いつまでも地域の台所として頑張っていただきたいです。