2024年

3月31日

未来を見せる、見える これぞ万博!

先週に引き続き、ゲストは大阪府知事吉村洋文さん。
今週はパビリオンの見どころを中心に伺っていきましょう。
「『大阪ヘルスケアパビリオン』は文字通り大阪の地元館です。
元々のテーマ"健康長寿への挑戦"からスタートしてライフサイエンスとか健康などをイメージしました。
そこからテーマが"REBORN"に。
建物としても、とても魅力的なパビリオンでして、鳥の巣のような感じですね。
巣に囲われるような...まさにここで人が生まれ変わるんだというようなものをテーマにしました。
ちょうど反対側に日本館があるんです。
負けてられないですね(笑)」。

中はどんな感じなのでしょうか?
「このパビリオンに入ると10歳若返ることができます。
10年後の自分に会うということなんです。
もっと言うと、最新の技術で25年後の自分、未来の自分に会う。
パビリオンに入るとパーソナルヘルスレコードというものに入って、色んなセンサーによって自分の健康状態がわかります。
そこから25年後の自分のアバターが出てきます。
パビリオンの2階に上がると今度はそのデータを基にした将来の自分と今の自分が出会う。
そして2050年の大阪の町を、未来の自分と一緒に旅する。
先日、将来の自分に会ってきましたよ(笑)。
自分に合った食もわかったりするんですよ。
この先、例えばトイレとかに行ったら、鏡で健康状態がわかったりするんじゃないですかね。
病気になりにくい社会を作る、病気になることを防いで、健康でい続けるための仕組みが今後のテーマになってくると思います」。

さらに注目の展示もあるのだとか。
「最新の技術も伝えたいですね。
iPS細胞は見たことありますか?ないでしょ?
見たくないですか?
京大の山中教授が発明されてノーベル賞を受賞された万能細胞です。
今、いろんな治療でもちょっとずつ使われ始めています。
心筋シートっていうので使われたりするんですけど、iPS細胞で作った"生きる心臓モデル"っていうのを見てみたいなと。
今、これに向けて大阪中の科学者の皆さんがひとつになって協力してくださっています。
『大阪ヘルスケアパビリオン』では動いている、生きているiPS細胞をご覧いただけるようにしたいですね。
目玉の1つになると思います」。

動いているiPS細胞、すごいですね。
「実際に脈動しているんです。
培養液の中にあって生きているんです。
でもね、これずっとは生きられないんですよ。
でもせっかくの万博なのでやっぱり生で見たい、見せたい。
これを見た子どもたちが未来の科学者になるかもしれない。
将来、iPS細胞で完全な臓器を作るのは究極の目標なんです。
そこにたどり着くかもしれないですよね」。

この展示が生まれたきっかけは?
「最初に山中先生に電話したんですよ。
"iPS細胞で心臓作れませんかね"って。
もうむちゃくちゃな質問ですけど(笑)。
そうすると山中先生はお答えくださいました。
iPS細胞は生き物だから、人間の細胞など結合させることなく外にいると1週間ほどでくたびれてくるらしいんです。
培養液があって、その中で動いていくから生物っていう発想をまず持ってほしいと。
簡単じゃないかもしれないけれども、力を合わせてちょっと挑戦してみますと仰っていただけました。
阪大の心臓の権威・澤先生をはじめ第一線の方がその趣旨に賛同してくださって、『大阪ヘルスケアパビリオン』で現時点の到達点のiPS細胞を見せようとなりました。」。

まさに知事の肝煎りの展示です。
「なんでこそこまでやりたいかっていうと、難しい病気も人間の力で治る社会が将来やってくるかもしれないじゃないですか。
そこを目指して頑張っている、その過程をぜひご覧いただきたいんです。
山中先生もちょうど小学生の時に万博で色んな科学に触れたおかげで、今の根源の1つになっていると仰っているんですよ。
動いているiPS細胞を見た日本の子どもたちが自分も科学者を目指そうと思ってくれたら、もう僕にとってはそれが万博の成功なんですよ。
無茶苦茶な質問も言ってみるもんです(笑)」。

知事の目が輝いています。
「まだ喋っていいですか?(笑)
これも目玉になると思います。
"3Dプリンターで培養肉を作る"。
僕がこれもまた、言うてみるもんやなぁって思うんですけど、食料の研究をされている方がいて、食料危機が起きた時に科学技術を使って肉が作れるんだったら、食料問題にも対応できる。
実際に今、3Dプリンターで小さな肉が作れるんですよ。
そのお肉をスーパーの試食コーナーみたいに食べてもらえないかなぁと。
これは実現できるかどうかわからないんです。
量産や安全性などの問題から事務方はちょっとできませんって言っているんですけど、いや、僕はできる、と。
最後まで諦めないでくれと言ってるんですけどね。
でも実際に食べられる肉はできるんですよ」。

他にも注目の展示が。
「『リボーンチャレンジ』ですね。
大阪って高い技術を持つ色んな中小企業があります。
でも、パビリオンを出展するほどのお金はなかなか出せないと。
じゃあ、その技術を見せていこうじゃないかという試みです。
『大阪ヘルスケアパビリオン』に展示ゾーンを作りまして、開催の6ヶ月間に1週間ごとに展示をします。

合計およそ300社の中小企業、スタートアップの高い技術をご覧いただけます。
僕もすごい期待をしているんです。
世界中からお客さんが来ますので、ここから新しいビジネスが生まれるかもしれない。
ビジネスとビジネスが結びついて、大阪の中小企業の技術が世界に羽ばたくかもしれないですね」。

最後に知事からメッセージを。
「めちゃくちゃ面白くて楽しい万博をやります!
開催まであと1年、楽しみにしていてください。
夢洲の会場で日本一明るい、世界一明るい万博を実現しますので、お待ちしています!」

くるぞ、万博。

竹原編集長のひとこと

この大阪でこの万博、開催までおよそ1年。
関西はもちろん、日本にとってもすごいパワーになると思います。
夢の多い万博ですね。