2025年

4月27日

過去から未来を紡ぐ TIME TUNNEL

今週のゲストは飯田繊工株式会社の常務取締役 飯田憲明さんです。

■老舗繊維会社の技術とは
「今年で創業121年目になります。
編み物の洋服になる前の生地を染色する仕事です。
主にTシャツやパーカー、下着関連の生地を日本の大手アパレルメーカーさんから、ご注文いただいております。
某テレビ局の24時間テレビのTシャツなどの加工もやらせていただいたことがありました。
商売形態はお客様の生地を預って染色や撥水などの機能加工を施します。
素材はコットンを中心に、ポリエステル、ナイロン、アクリルなど様々な繊維を染色できます」。

数年前、転機があったそうですね。
「6年前のことです。
元々、うちで染色した生地は縫製工場に出荷するのですが、
実際に縫製工場はどうなっているのだろうと会社の近所の工場を見学しました。
そうすると80歳のおばあちゃんが3人で作業しているような工場もありました。
このまま続けていくのはどうやっていくのか、
この技術を残していかなければならないと思いまして、
うちも縫製事業を始めました。
そもそも展示会に出品するサンプルを作る目的もあったのですが、
コロナでアパレルさんの展示会がなくなってしまいました。
そこで自分たちで作って売れるものということでマスクを作ったこともありました。
他にインフルエンサーさんや西野亮廣さんのコミュニティと協業してTシャツを作ったりもしました。
そこで初めて直接消費者さんに販売することを学びました」。

今日、飯田さんがお召しのものは...?
「着物風デザインのTシャツ『KIMO
NO T(キモノット)』です。
着物の袖くらいの幅があり、振り袖のようなデザインです。
姫路のお土産屋さんに卸していまして、
姫路の文字と龍がプリントされています。
インバウンド観光客に人気のものです。
他にも白馬・八方尾根のTシャツも作らせていただいていたり、
アーティストのコンサートグッズにもなっています」。

■地球環境の変化にも対応! 繊維の会社が見つめる未来
「今回の万博の展示は『みんなで描こう、誰もが暮らしやすい社会』というテーマを池田泉州銀行さんからいただきました。
そこで3つの提案をします。
1つ目は温暖化が進んだ熱くなった世界から人々を守る『クールマント』です。
この生地は湿度を吸うと涼しくなります。
2つ目は温暖化で増加する蚊から人々を守る服です。
この生地は蚊が寄り付きにくい素材です。
動画を使って訴求します。
3つ目は新たなパンデミックに備え、
ウイルスや菌から人々を守る服です。
これらの服は洋服として展示されます。
展示場では温暖化で映画『スターウォーズ』のような世界観を出してインパクトのある展示にします。
染色に使っている技術がうちの『ブリングアウト』。
その加工をすることでCO2が従来加工よりも30%ダウンします。
生地の風合いは膨らみがでてソフトに仕上がります。
ファッション性とエコも謳えるような形で面白い未来が見えるかなと思います」。

■繊維の進化は止まらない 未来の衣服はどこへゆく
「日本の国内産は少子化などで難しい時代が来るかなと思っているのですが、
リサイクルは可能性を感じます。
おばあちゃんが着ていた着物を使わないので中古で販売されたりしていますよね。
そういう材料を使って服を作ってみたらどうかと試験的に進めています。
服にしてみるとめちゃくちゃカッコイイんですよ。
ダウン入れたりとか、シャツにしたりとか。
先日、ご縁があってドバイ行かせていただいて、
そこで出店できる話も出ました。
これからそういう着物を使ったものづくりを進めていこうと考えています。
まさに『キモノット』を実際の着物でやってみるとかいうのも面白いんじゃないかなと思っています」。

他にもリサイクルされているものがあるのだとか。
「車のエアバッグを使った製品です。
スクラップになる車からエアバッグを取り出してそれを生地にします。
素材は『ナイロン66』という強度が非常に高いものです。
それを染色して製品にしていました。
このようにサステナブルなものはこれから出てくると思いますよ。」

大阪・関西万博へ向けての意気込みをお願いします。
「僕が70年万博が終わった2年後に生まれていまして。
実は母がペプシコーラのペプシ館のコンパニオンをやっていたんですよ。
そういったことでも繋がりを感じますし、
会社の長い歴史の中で"万博に出展した"という出来事が会社の歴史に刻まれるっていうのはすごいことですよね。
池田泉州銀行さんに感謝です」。

6月3日から6月9日に大阪ヘルスケアパビリオンのリボーンチャレンジ内での出展となります。

<プレゼント>
そして今回!飯田繊工さんからリスナーの皆様へプレゼントを頂いております。
日本古来の伝統衣装「キモノ」を現代の生活スタイルにTシャツとしてアレンジ、
『 KIMO NO T(キモノット) 』を4人の方にプレゼント!
フリーサイズを2着、XL、Mがそれぞれ1着ずつ。
それぞれご希望のサイズを明記してください。
≪ 宛先 ≫
※ メール: mailto:akarui@mbs1179.com
※ FAX: 06−6809−9090
※ ハガキ: 〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「  飯田繊工株式会社 プレゼント 」係
・当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

衣類が現代の地球環境に合わせて進化するのは自然なことかもしれませんが、そこに多くのアイデアや機能をつける。
これは並大抵のことではありません。頑張っていただきたいですね!