2025年

6月29日

"あ〜おんちかった" 時代を超える新しい大阪のうどん

今週のゲストは、恩地食品株式会社の代表取締役 恩地宏昌さんです。
特に関西は浜村淳さん出演のCM「あ〜おんちかった」のフレーズでもお馴染みです。
改めて事業内容から伺っていきます。
「昭和元年創業で、今年99年、来年100年になります。
私が3代目です。
事業内容はスーパーマーケットなどの麺コーナーで販売されています、うどん、中華そば、焼きそば、和そばを中心として、関西はストレートだしも製造しています。
アルミ製の鍋焼きうどんも関西では私たちが最初に手がけて販売しました」。

麺類のみならず、だしも製造。
「関西だからうどんのイメージが強いですよね。
実際に"恩地さん、やっぱり、うどんがすごい売れてるでしょ?"っていわれるんですが、実は売上高の1番は、だしなんですよ。
これは理由がありまして、だしはあんまり特売にかかりにくいんですよね。
うどんはスーパーさんの競争の中で、結構特売されて単価も下がりますし。
だしの用途はうどんのみならず、料理だしとしてお使いいただくことも多いです。
茶碗蒸し、だし巻き、おでんの出汁など便利に使っていただいています。
やっぱり関西の主婦の方は、かしこいですね。
500ℓの釜で節を踊らせてだしをとっています。
関西でもトップシェアなんですよ」。

何種類ぐらいの商品数なのでしょう?
「季節によって違います。
春・夏ものと秋・冬もの、さらに通年あるもの。
合計したらのべ100種類ぐらいあります。
夏はやはり冷たいもの。
冬はお鍋などにも入れるもの。
食の変化に対応していっている形ですね。
一番人気は『京うどん』です。
中細のやわらかいうどんなのですが、炊いても煮崩れしないNo. 1ブランドです。
京都の八幡で作っています。
だしの次に売れている商品ですね」。

こだわりのポイントは?
「100%小麦粉で作ることでツルツルとした食感。
だしが麺についてきます。
足し算ではなく引き算で作っているということです。
イチオシは角のない『丸うどん』。
添加物はもちろん塩も使っていないうどんです。
塩を使っていないと麺自体に保湿性が低くなるのでカラカラになるんです。
それを我が社独自の製法でしっかりとコシを作っています。
"ONLY ONE"という言葉が好きで他社には真似できない商品を目指して作っています」。

うどんや蕎麦のこんな歴史の話も...。
「大阪城築城の際に今の西区あたりに労働者がいる砂場という場所がありました。
そこにうどんや蕎麦を食べさせる屋台が並んだそうです。
大阪は天下の台所。
北海道から北前船で昆布が運ばれてくる。
南九州から鰹が運ばれてくる。
そこで大阪にだし文化が生まれて、うどんが庶民に広がったそうです。
こういった歴史を紡いでうどん文化を発信していきたいですね」。

大阪・関西万博にも出展。
「大阪の製麺組合とうどんプロジェクトで1日出展しました。
うどん1本からの愛を世界に届けるというテーマです。
今後、世界に広げていきたいですね。
最終的には大阪を盛り上げたいんですけど、大阪のうどんといえば『きつねうどん』。
さらに大阪の『カレーうどん』を輸出していこうと思っています。
今ちょうど台湾にも輸出が始まっていまして。
あとミャンマー、カンボジア、シンガポールにも輸出しています。
もう既にフィリピンでビジネスされている方が仰るんです。"フィリピンでうどんブームやで"って。
世界中でラーメンが凄い勢いじゃないですか。
でも僕はもう10年前から"ラーメンの次はうどんやで"とずっと言い続けていました。
何のエビデンスもないんですけど(笑)」。

改めてうどんの魅力はどんなところにあるのでしょう?
「色んな世界の、その国の食文化とコラボできるところです。
その代表が例えばタイのバンコクの空港で『トムヤンクンうどん』とかね。
ヨーロッパのイタリアに最終的に輸出して『うどんパスタ』とかね。
そんな風な食べ方をヨーロッパの人にしてもらったら本当に嬉しいなと思いながら。
さらには大阪のブランド価値を世界に発信していきたいと思っています。
日本ではうどんといえば讃岐って言いますけども"世界では本場は大阪やで"と。
だから大阪に本場のうどんを食べに行こうと来日された、そうしたらたこ焼き、お好み焼きもあるぞと。
実は今ちょっと力を入れているのが『たこ焼きうどん』でして。
うどんの上にたこ焼きが乗っているんですよ。
最初はみんな、ええっ...と驚くんです。
でも『明石焼き』はだしにつけて食べますよね?
そう考えると納得します。
この『たこ焼きうどん』も別に僕が考えたんじゃなくて、大阪大学の教授が教えてくださったんですよ。
阪大の学食で人気メニューのひとつで『たこ焼きうどん』があるんですって。
粉もんと粉もん、炭水化物と炭水化物。
おもろいなぁ、と。
『きつねうどん』が代表するメニューですけども、南大阪の方から『かすうどん』がメジャーになってきて、次は『たこ焼きうどん』ですよ」。

会社の歴史は次週に続く...。

<プレゼント>
「 大坂のおうどん・おんちのだし  」をセットにして5人の方にプレゼント!
≪ 宛先 ≫
メール :  akarui@mbs1179.com
FAX  : 06−6809−9090
ハガキ :  〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「  恩地食品 プレゼント 」係
・当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

古くから親しまれている大阪のうどん。その価値をどんどんと高めようとされています。
いつも美味しくて、いつも新しい大阪の食文化です。