2025年

9月28日

パンから生み出す"しあわせ向上"の仕事スタイル

先週に引き続き、ゲストは株式会社ダイヤの代表取締役社長 多田俊介さんです。
今週は会社の歴史を伺います。
「終戦の翌年、1946年に創業しました。
私の祖父で創業者、多田定男は当時和菓子職人でした。
当時アメリカの進駐軍から小麦粉の支給があるという事で、その小麦粉で何とか食べるもの作れないかという事でパン作りを始めたのが創業のきっかけです。
そこから私の父が継いで、さらに私で三代目です。
当時から今に至るまで、転機もありました。
うちの商品をなるべく日常的にお客様に食べて頂くために、お客様が買いやすいところにお店を置こうということで市場や、今もある針中野の商店街にお店を作りました。
難波の地下街に貯金をはたいて出店したっていう事を聞いてますね。
さらにホワイティ梅田、阪急三番街。
"地下のお店にお客さんが来るの?"といった珍しいものを見るような雰囲気だったそうです」。

さらなる転機が。
「駅なかですね。
駅の中っていうのはガスなど火を使うことが厳しい環境です。
弊社の場合は今里の本社にパン工場がありますので、そこからパンを持っていくっていうスタイルで、オーブンが置けなくても出店できました。
上本町のお店を皮切りに色んな駅に出店しました」。

現在、多種多様な商品を展開するパン業界。
株式会社ダイヤのパンはどのようなジャンルになるのでしょうか。
「昔から弊社はサンドイッチが美味しいとお客様から評判をいただいていました。
他のパン屋さんに比べてサンドイッチの商品の種類がすごく多かったんです。
それは今も続いていまして、最近では百貨店に『ダイヤ製パン』というブランドでサンドイッチ専門店をさせて頂くことになりました。
本当にお客様にご贔屓頂いた結果、専門店を出すことができて本当に嬉しいです」。

現多田社長が就任されてから会社に変化は?
「私自身が元々別の仕事をしていて、あまりパンに対してそれほど深い知識を持っていませんでした。
そういったところから第三者目線で会社を見ることができたのかなと。
私はあまり家業のパン屋を継ぐということは考えていませんでした。
自分の好きなパソコンとかIT系を目指して大学に入り、就職もIT系の会社に入りました。
就職した先の配属先が仙台事業所でした。
大阪から、卒業してすぐにそれまで行ったことがない東北・仙台に行くことになって、そこからずっとIT企業の社員として働くことになりました。
父は私の動向を気にしている素振りはありましたが、若い時は自由にやらせてみようという感じはありましたね」。

そこから大阪へ戻って来られる...?
「1番大きかったのが2011年3月の東日本大震災です。
私自身、結婚もしていましたけども、なんとか家族無事で乗り越えることはできました。
当時、仕方のないことなんですけれども、やはり物理的に壊れたものを復旧することが最優先な中で、私がやっている仕事が、少なくなってしまいました。
そこで会社から大阪、東京、名古屋どれか選べ、となりまして。
それならばと、大阪へ8年ぶりに帰ることになりました。
そこから2年ほど大阪で働いている中、クックハウスのパンを見たりすることもありましたし、父親や一緒に働く私の弟が頑張っている姿を見ていると、何か貢献しないといけないんじゃないかっていう思いがありました。
ITの仕事でずっと大阪に居られるわけでもありませんでしたし、ちょうど長女が生まれたことで色んなことを考え直すきっかけになりました
そう考えていたのが2013年あたりでしたね」。

『しあわせ向上委員会』というものを立ち上げられたとか。
「立ち上げたきっかけは、コロナ禍のすごく厳しい中で、お給料がなかなか思うように上げられなかったり、ボーナスもなかなか満額出せなかったりという時期が続いた時に、従業員さんの健康状態とか精神状態がすごく心配でした。
この『しあわせ向上委員会』を私含めて従業員から希望者を募って始めて、現状、従業員の皆さんがどんなことに困っているかを毎年アンケートをとって、それに対して答えていくっていうことを委員会中心にやっております。
ちょうど去年のアクションプランが"有給休暇をとろう"。
『おかんパン』のキャラクターを使って、"みんな取ってるから有給取ってもええんやで"と語りかけるポスターを作りました。
その年はもう有給消化率が100%を超えました。
100%を超えるってことは付与した分含めて、持ち越しした分も含めて取って頂いてるという数字になるので、本当に効果があってよかったなと思います。
引き続き、これも続けていきたいと思いますね」。

未来へのビジョンを聞かせてください。
「『おかんパン』を含めて、大阪のパン屋さんであるということを意識して、これからも大阪を代表するパン屋さんになっていきたいと思っています。
ただ、その為には、自分達だけではなかなかそんなところまで辿り着けません。
大阪や色んな関西の会社さんと一緒に共同しながら取り組むことによって、自分達が目指す理想に辿り着けるんじゃないかなと思っています。
今後も学生さんや地元企業さん、農家さん、色んな方のお力をお借りして自分達の理想に近づいていきたいと思います」。

<プレゼント>
株式会社ダイヤさんからリスナーの皆様にプレゼント!
『いちじくなにわクッキーサンド』を3人の方にプレゼントします。
≪ 宛先 ≫
メール: akarui@mbs1179.com
FAX:06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
    「  株式会社ダイヤ プレゼント 」係
当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

全社一丸で新しい商品作りに取り組んでおられます。
さらには学生さんや、地元の企業さん、農家さんらとも組んでの商品作り。
パンを中心にしてモノづくり、コトづくりをされていますね。