2025年

10月12日

研究者の声とアイデアで生み出す実験器具

先週に引き続き、ゲストは株式会社サンプラテックの執行役員 森正樹さんです。
今週は会社の歴史を伺います。
「創業は1960年、昭和35年になります。
現会長が立ち上げた会社です。
当時、実験機器の主流だったガラスからプラスチックに替えることをテーマに絞って事業展開を開始しました」。

プラスチックが今のように普及していない時代です。
「最初は加工で作れるような実験機具を手掛けて、その次にプラスチック容器なんかを作り始めて。
そこから今や取り扱いアイテムは7000点ぐらいあります。
TPXという素材がありまして、この素材は透明性が高くて、耐薬品性が高くて耐熱性が高い。
ガラスに匹敵する性能です。
この素材を使ってメスシリンダーの金型を作って製品展開をしようと考えていました。
試行錯誤して1年から1年半ぐらい掛かって出来上がって、販売開始。
そうするとすごく高い評価をいただきました。
それがきっかけでこのサンプラテックという会社が、メーカーとして認知度が上がったという歴史があります」。

業界のプラスチック革命を起こされたわけですね。
そこから自社ブランドも作られます。
「実験機具が7000アイテム。
これをお客様、我々でいう研究者の方々にPRするわけです。
その時に7000アイテムの中でボトルやライフサイエンス向けや設備機材など、それらをブランド化して提案をしやすくしようとしました。
うちの社長がブランド化をどんどん進めていこうという発想で、最初は『IREMONOⓇ(イレモノ)』。
プラスチック製のボトルのブランドです。
その次にできたのが女性研究者向けの実験器具『PlatineⓇ(プラティーヌ)』。
その次が再生医療向けのデバイス『iP-TECⓇ(アイピーテック)』というブランドができました。
最後に設備機器のブランドとして、いわゆるアクリルの筐体を使った製品開発ということで『LC4PⓇ(エルシーフォーピー)』というブランドができました」。

森さんご自身はどんなお仕事をされているのでしょうか?
「今年で25年目になります。
そのうち20年ぐらいは企画開発という部署で仕事をさせていただいております。
製品開発のところであったりとか、ブランド展開であったりとか、ウェブ戦略であったり。
今はあまり作らないですが紙のカタログも作っていました。
現社長がまだ課長時代に、たくさん教えてもらいまして、それを今に活かしている感じです。
朝に社長ミーティングがあるんです。
社長との距離が近いのもこの会社の特色ですね。
ミーティングは毎日あるので報告もしますし、意見ももらいます。
うちの社長がものづくりが好きでアイデアを出すのも好き。
どんどん開発していこうとか、付加価値をどうやってつけたら良いかとか。
そういう議論をずっとやっております。
開発部署の社員はお客様から上手にニーズを拾ってくるんですよ。
それを自分のノウハウとアイデアを持って具現化していくのが非常にうまいです。
従業員はざっくり40人ぐらいですね。
知らない間に女性の方が多くなりました。
女性社員の中で理系出身の社員も複数いるので意見が非常に貴重です。
それを形にし易いメリットもありますね」。

ウェブで、みんなから困りごとを聞く『アイデアラボ』という試みも。
「研究者の声を聞くウェブ媒体です。
企画広報のチームが中心になって考えてくれました。
最近だんだん投稿数も増えてきております。
研究者の皆さんにたくさんアイデアを頂いています。
今まではあって当たり前のものがアイデアによって、どんどん色んな形のものが出来るようになってきています。
常に違うことをやっているので、やっぱり面白いですね」。

会社内での困りごとは?
「色んなことをやっている会社の中で40人ぐらいの社員で動いています。
もっと、人がいたらいいのに...と思うことはあるんですけども、今の時代は採用もなかなか自由にできません。
業務効率を進める上では、AIの活用っていうのは、いいのかなという風に思っております。
1つの回答を導き出してもらって、後は生身の人間の補完をしてお客様に回答する。
回答までのスピードを早めるような仕組みを作りたいと思っています。
サンプラテックは、常に新しいことをしている会社でありたいです。
例えば再生医療のことも事業化していきたいですし、社会貢献、研究の方の発展の後押しを実験機器からしていきたいと思います」。

未来へのビジョンを聞かせてください。
「サンプラテックという会社をもっと色んな人に知ってもらう。
研究を実験機器の面から支えているのはサンプラテック。
そうなるために今やってることをしっかり進めていくのが良いと考えています」。

<プレゼント>
株式会社サンプラテックさんからリスナーの皆様にプレゼント!
『1ℓメスシリンダー』を3人の方にプレゼントします。
≪ 宛先 ≫
メール: akarui@mbs1179.com
FAX:06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
    「  株式会社サンプラテック プレゼント 」係
当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

一見シンプルな実験器具を研究者の生の声とアイデアでどんどん進化させておられます。
新しいものを会社だけじゃなく、お客さんも巻き込んで生み出しておられますね。