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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2021年2月13日 放送分】 |
2021年2月13日 |
【巻】…10・2349
【歌】…わが宿に咲きたる梅を月夜（つくよ）よみ 宵宵（よひよひ）見せむ君をこそ待て
【訳】…私の家に咲いている梅、その梅を月夜に見るのがよい、夜ごと夜ごとにお見せしたいのです、待っていますよ
【解】…万葉集の時代は、男性が妻や恋人の家に通うのが通例でした。ただ、交通機関が発達していなかったので、月が出ていない闇夜に外に出るのは危険です。ですので、男性が女性宅に行くのは月が出ている日がほとんどでした。今回の歌の作者は女性で、彼女は、庭の梅を月夜に見るのがいいと詠んでいます。月夜なので、こちらに来れるでしょう、と男性をデートに誘っているのです。しかも、一晩だけでなく、毎日来て欲しいと。これほど具体的な誘い歌はないでしょう。ところで、月の光に浮かぶ梅というは、確かにロマンチックですね。１３００年前の恋人たちのデート風景が浮かんできます。
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