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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2026年7月4日 放送分】
【2026年6月27日 放送分】
【2026年6月20日 放送分】
【2026年6月13日 放送分】
【2026年6月6日 放送分】
【2026年5月30日 放送分】
【2026年5月23日 放送分】
【2026年5月16日 放送分】
【2026年5月9日 放送分】
【2026年5月2日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2026年7月4日 放送分】
2026年7月4日
【巻】…16・3853

【歌】…石麻呂にわれ物申す夏痩に良しといふ物ぞ鰻取り寄せ

【訳】…石麻呂さんに申し上げます夏痩せに良いというものですよ鰻をとって食べて下さいね

【解】…夏本番より暑さが厳しくなる時の方が食欲が無くなるという方もおられるかもしれません。今回は、鰻が出てくる歌をご紹介しました。鰻の旬は秋冬ですが、夏のスタミナ食として親しまれている鰻。大伴家持が、夏バテして痩せている友人の石麻呂に鰻を食べるよう勧めた歌です。当時の鰻は高級だったのでしょうか?川でとって食べて下さいと言っているので、売っているものを買うのではなく、自分で捕獲するのが主流だったのでしょうか?

上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2026年6月27日 放送分】
2026年6月27日
【巻】…16・3837

【歌】…ひさかたの雨も降らぬか蓮葉にたまれる水の玉に似たる見む

【訳】…ひさかたの雨も降らないかなぁ蓮の葉っぱにたまっている水の玉に似ているのを見たいから

【解】…季節を楽しむという心をお持ちでしょうか?雨が降っても降らなくてもその瞬間を楽しもうという気持ちを持つと心が豊かになるような気がします。今回の歌は、宴会の場で蓮の葉に料理を並べた時に「蓮」をお題に詠まれた歌をご紹介しました。蓮の葉に水が落ちるときれいな丸い形になります、この水の形がきれいだから見たいと詠まれているので、この歌が詠まれたのは、雨が降らない渇水の頃だと予想できます。

上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2026年6月20日 放送分】
2026年6月20日
【巻】…16・3829

【歌】…醤酢に蒜搗き合てて鯛願ふわれにな見せそ水葱の羹

【訳】…醤酢に蒜をついて合わせ 鯛が欲しい私に見せないでおくれ 水葱のスープは

【解】…今回の歌は、当時の食文化が伝わるまるで料理のレシピのような言葉遊びの歌を詠んでいきました。歌の中には5つの食材(酢、醤、蒜、鯛、水葱)が出てきており、内容は「醤と酢を混ぜたものに、ノビルを潰して混ぜ合わせ、大好きな鯛を食べたいと願っている私…そんな私に水葱の入ったみすぼらしいスープなんか見せないでおくれ」という意味になります。想像するとその場では笑顔があふれたんでしょうか?恋の歌が多い万葉集の中にもこんなにもユーモアな歌もあったんですね。

上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2026年6月13日 放送分】
2026年6月13日
【巻】…15・3626

【歌】…鶴が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづし一人さ寝れば

【訳】…鶴が鳴いて葦辺をさして飛び渡る ああ心細い一人で寝ると

【解】…「たづ」とは漢字の通り「鶴」になります。この歌は遣新羅使の仲間が詠んだとされる歌をご紹介しました。鶴が鳴きながら、葦の生えた岸辺を目指して飛び渡っていく姿が想像できます。作者はその鶴の姿を見ると、心がなんとなく心細く切なくなっていて「私は旅の途中で一人寂しく寝るのだから」という…旅先での孤独感や妻を愛おしく想う切なさを詠んだ歌になります。

上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2026年6月6日 放送分】
2026年6月6日
【巻】…16・3818

【歌】…朝露鹿火屋が下の鳴くかはづしのひつつありと告げむ子もがも

【訳】…朝露鹿火屋の下に鳴くかはづのようにあなたを好きなんですとうけてくれる女の子はいないかなあ

【解】…今回の歌も先週と同じように十八番の歌をご紹介しました。十八番と言えばその場が盛り上がる歌になります。「鹿火屋」は、朝霞が立ち込める中、鹿や猪などを追い払うために火を焚く小屋のことで、「かはづ」は蛙になります。蛙がこの小屋の下でひっそり鳴いていて、この様子を聞いた作者は「かはづは良いなぁ〜」と人目を忍んで、ひっそりと恋い慕う自分の心を代弁していることを羨ましがっている歌になります。